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ミニ公募債:7月〜9月の発行額は計860億5000万円

2004/10/14

 富山・氷見市は10月13日、2回目の「ひみ市民債」の購入受け付けを開始。受け付け開始まもなく、発行総額1億円を完売した。年利は0.8%(固定金利)で、5年満期一括償還、利払いは年2回。1人当たりの購入限度額は100万円。16マルチスライスCTスキャナー購入など市民病院医療機器整備事業費の一部に充てる。個人購入者は市民病院での人間ドックや、オプションの肺ドック(同スキャナー使用)の料金が1割引きになる特典がある。

 福岡市は10月6日から15日まで、「夢・愛ランド花公園債」の購入受け付けを行った。発行総額は40億円。購入限度額は3000万円。3年満期で、利率は0.38%。博多湾人工島(アイランドシティ)内の中央公園(2009年度完成予定、総事業費193億円)の整備費に充てる。2005年秋に開かれる「全国都市緑化ふくおかフェア」のメーン会場になっており、ミニ公募債購入者は同フェアに招待する。

 千葉・我孫子市は10月1日から、「オオバンあびこ市民債」の購入受け付けを始めた。発行総額2億円、年利は0.58%。償還期間は5年間で、満期一括償還。利払いは年2回。市内在住を問わず20歳以上の個人、または我孫子市内に本支店を有する法人・団体が購入できる。古利根沼取得費用の一部に充てる。同沼の資産価値がバブル期と比べて10分の1程度に落ち着いてきたことなどから、市は沼面積の9割以上にあたる16.2haを4億2915万円で取得することを決めた。取得費のうち1億735万8000円は「緑の基金」を取り崩し、残る3億2180万円は地方債の発行を予定。このうち2億円分を公募債とする。

 総務省によると、7月から9月までにミニ公募債を発行した自治体は21、発行額の合計は860億5000万円とのこと。また、10月から12月に発行予定の自治体は30(うち青森、岩手、秋田の3県は共同発行)で、合計1132億5500万円。1月から3月の563億890万円、4月から6月の545億2300万円と比べて、ますます発行額は増加している。

 以下、最近発行したミニ公募債と今後発行する予定のミニ公募債の一部を紹介する。

 香川県は7月、2回目となる「讃岐のくにづくり債」を発行、発売開始日の午後2時までに発行額20億円を即日完売した。利率(5年満期)は0.86%。2005年4月に開校する県消防学校の整備、県立高校の耐震化・老朽化改修の事業費に充てる。

 群馬・太田市は8月、「おおた市民債」を発行。発行額3億円に対し、21億5710万円の申し込みがあり、公開抽選会を実施した。償還期間は7年で、利率は1.17%。太田、宝泉両地区行政センター建設事業や市休泊児童館建設事業(仮称)などに充てる。

 松江市は8月、2回目となる「松江みらい債」を発行したところ、1時間で完売した。発行額は3億円。利率は0.89%。松江市立母衣小学校の校舎建設費に充てる。

 千葉県は8月、2003年度に続いて「ちば県民債」を発行した。発行額は100億円(50億円を2回発行し、次回は12月に発行予定)。教育施設や道路・街路、また河川環境の整備などに充てる。

 鳥取県は8月、「とっとり県民債」を発行した。5年債と10年債それぞれ10億円ずつ発行。利率は、5年債0.82%、10年債1.86%。利払いは年2回。購入限度額は5年債と10年債を合わせて3000万円まで。

 富山県は9月、3回目となる「とやま県民債」の購入申し込み受け付けを行い、発売開始から1時間3分で発行予定額の40億円に達し、即日完売した。5年満期で、利率(5年間固定)は0.76%。北陸新幹線整備や治山治水対策、県立魚津工業高校の校舎の一部改築などに充てる。

 栃木・鹿沼市は9月、2回目の「かぬま元気債」を発行。発行額は5億円。5年一括満期償還方法で利率は年0.9%。応募は767件で、発行額の3.66倍にあたる18億3270万円に上り、抽選会を実施した。自然体験交流センター整備事業、出会いの森総合公園整備事業、自然の森総合公園整備事業などに充てる。

 千葉市は9月、2003年に続いて「ちば市民債」を発行した。発行額は50億円。購入限度額は500万円。5年満期一括償還で、金利は0.72%。花島公園、総合スポーツ公園。総合スポーツ公園球技場などの整備の事業費に充てる。

 北九州市は9月、3回目となる「ひまわり債」を発行した。過去2年は発売初日で完売したが、今回は発売額を前年度比10億円増の30億円としたり、同日に個人向け国債が発売されるなど競合したこともあり即日完売できず、発売2日目で完売した。5年満期一括償還で、利率は0.74%。新北九州空港の整備、小中養護学校の整備などに充てる。

 島根県は9月、3回目となる「しまね愛県債」を発行した。発行額は20億円で、年利は0.76%。今回は3億円分を窓口での購入期間に先行してITで受け付け、1人当たりの購入上限額も前回の300万円から1000万円とした。県立学校の整備に充てる。

 高松市は10月18日から、「高松まちづくり債」の発行を始める予定。発行総額は5億円。利払いは年2回。1998年度から着手している市立玉藻公園の整備に充てる。史跡高松城跡の西側に隣接する1.2haを、2012年度の完成を目指して親水広場として整備、総事業費は171億4000万円と見積もっている。

 高松市は10月28日、「高松まちづくり債」を発行する予定。発行規模は5億円。5年満期の一括償還で、利率は10月発行の5年国債を参考に設定する。利払いは年2回。玉藻公園整備事業(総事業費171億4000万円)の2005年度事業費(12億5000万円)の一部に充てる。

 奈良・大和郡山市は11月、「元気城下町債」を発行する予定。発行額は1億5000万円。3年満期で利率は0.36%。2005年2月完成予定の市給食センターの建設資金に充てる。

 宮崎市は12月、2003年度から発行している「アイビー債」を発行する予定。2004年度は発行総額を5億円増額し、20億円とする。利率は、11月初旬の新発の国債利回りに若干上乗せする。生目の杜運動公園、生目古墳群史跡公園整備事業などに充てる。

 松山市は2005年4月に、2回目となる「坂の上の雲」まちづくり債を発行する予定。市民からの継続的な発行や増額の要望が多かったことを受けてのことで、4月に5億5000万円分を発行したときは、11倍の60億円の応募があった。(田中潤)


【関連資料】
総務省:住民参加型ミニ市場公募地方債の発行予定(10月〜12月分)(PDFファイル)

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ミニ公募債:半年間で1200億円発行」(2004/07/08)