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自治体などによる空港利用促進の取り組み

2004/09/08

 青森市は11月〜2005年2月末まで、青森−ソウル間の国際定期便を往復で利用し、青森市内のホテルや旅館に1泊以上(上限は3泊)する観光客を対象に、直接宿泊手配を行う旅行業者に対して1泊するごとに3000円を給付する予定。観光客を市内に呼び込むと同時に、青森−ソウル線の搭乗率をアップさせるのが狙い。

 以下、空港に関する自治体などの取り組みを紹介する。

 札幌市は2000年から、国内外の企業が成績優秀な社員を旅行に連れて行く「報奨旅行」の誘致活動に取り組んだ結果、2003年までの3年間で韓国、香港から2480人が訪れた。2004〜2005年にかけては1万740人に上る予定。同市はコンベンションセンターのオープンに先駆け、国際会議などの誘致を進める中で、報奨旅行に着目し、外国企業の担当者を旅費の一部を負担して視察に招くなどして、札幌の魅力を浸透させてきた。

 福島県は2004年度から、県内の中学校と高校が修学旅行で福島空港を利用する際、空港までの往復のバス料金を半額補助する。2004年度当初予算で9校分に当たる60万円を確保した。また、県は2002年度から、県内の高校に対して修学旅行時のバス料金を補助しており、これまでの実績は180校となっている。

 高松空港振興期成会は2004年度、東京以外の国内線とソウル便の高松発便を利用する15人以上の県外団体客を対象に、高速料金助成制度を導入。団体が利用するバスの高松空港への送客にかかった高速・有料道路料金について、1台1万2150円を上限に助成するというもの。2004年度予算に500台分となる600万円を計上した。

 青森空港国際化促進協議会は6月、新しくパスポートをつくって、青森空港初の国際線を利用する人に1万円を助成する制度を始めた。協議会と航空会社が5000円ずつ助成する。伸び悩んでいるソウル線、ハバロフスク線の利用客の拡大を目指すもので、9月までの期間中、新規パスポート取得者1000人の獲得を目指す。その後、5月18日以降にパスポートを更新した人も、1万円の助成制度が適用されることになった。

 福井県は6月補正予算に、滞在型の観光を増やすための旅行会社への補助として1155万円を計上した。勝山市の県立恐竜博物館と県内宿泊を組み込んだツアーを企画してもらい、誘客実績に応じて1人当たり3000円補助する仕組み。旅行会社のツアーPR費として1社当たり200人分、60万円を最低保証。客の上積み分は1人当たり3000円ずつ加算。上限は計700人、210万円。補助金を旅行料金に反映するか、PR費用に充てるかは業者に任せる。

 大分県では7月、運休していた国際定期路線の大分−上海線が運行を再開した。運行は運休前と同じ週2便。運行会社の中国東方航空は採算性の低さから再開に難色を示していたが、県、別府市、県観光協会、大分航空ターミナルの4者が支援することで、再開にこぎ着けた。2004年度の当初予算で3分の1を減免する予定だった大分空港の使用料(年間1800万円)を全額免除する。さらに、同路線の収支が赤字になった場合、上限を設けて補填する方針。補填額のうち、県負担分として3000〜4000万円を見込んでいる。

 長崎県は6月〜9月、長崎―上海間の定期航空路線利用促進を測るため、「交流等助成金」を実施している。「交流費(現地商談会や会議などの会場借り上げ費用)」「国内交通費(県内各地から長崎空港まで往復の貸し切りバス代など)」「現地交通費(バス代、ジャンボタクシー代、リニアモーターカー料金)」「ガイド・通訳料」などが対象経費。合計で10人〜19人が渡航する場合は1件当たり往復3万円、20人〜29人の場合は同6万円など、客人数に応じて助成額を設定した。

 有明佐賀空港活性化推進協議会は10月以降、空港を利用する個人や小グループ客の利便性を向上させるため、乗り合いタクシーを試験的に導入する方針。事前予約制で、予約があった場合だけジャンボタクシーを利用して運行。空港と伊万里市、有田町、柳川市など観光地を結ぶ。距離に応じて運賃を数段階に設定、通常のタクシー料金より安くなり、客はそれぞれが指定した目的地で降車する。また、レンタカー会社に助成して、通常、1日5000〜6000円の利用料金を1000円にする。タクシー運行費用などに460万円、レンタカー助成に530万円の事業費を予定。

 また、石川・根上町は3月、メジャーリーグ観戦で渡米する町民の旅費の一部を補助する制度の実施を決めた。同町はヤンキースの松井秀喜選手の出身地。町観光物産協会を事業主体とし、町が協会に補助金を出す形で実施する。渡米した町民に観戦チケットの半券を持ち帰ってもらい、引き換えに1人当たり1〜3万円を支給する。2004年度予算案に当面の事業費として150万円を計上した。同町は2005年2月に合併を控えており、2004年限りの事業となる。(田中潤)