埼玉・坂戸市は9月定例議会に、「廃棄物の減量及び適正処理に関する条例」改正案を提出する。資源ごみの無断持ち去り防止のためで、市の所有権を明記し、無断収集や運搬を禁止する。同市では、古新聞など資源ごみが無断で持ち去される被害が増えており、6月から集積所に「見張り役」として職員を配置している。見張り役の職員は2人1組で、1日6組を配置。市内集積所全1400ヵ所を交代で勤務。回収前の午前7時半から1時間、見張りを行っている。「持ち出し禁止」の看板も設置しているが、法的な効力はないので、今回条例改正に踏み切ることとなった。同市は2002年度に、資源ごみを2132トン(250万円分)回収した。
埼玉・新座市でも9月定例議会に、「廃棄物の減量及び適正処理に関する条例」の改正案を提出する。同市の1年間の被害総量は、全体の21%で1000トン(400万円分)及ぶとのこと。条例改正に合わせ、「無断持ち去り厳禁」「窃盗罪にあたるので、発見次第、法的手続をとります」と書かれた看板を設置する方針。このような文面の看板は東京・杉並区(2003年3月「廃棄物の処理及び再利用に関する条例」施行)が設置している。
埼玉県内では、志木市が2003年7月から、「廃棄物減量化再生利用及び適正処理等に関する条例」に基づき、朝霞署と連名で「無断持ち去り厳禁」と書かれた看板を設置している。
そのほか、資源ごみの持ち去り対策として、条例改正が最近報道された自治体は次の通り。
奈良・桜井市は9月定例議会に、「廃棄物の処理及び再利用の促進に関する条例」の改正案を提出する。違反者には3万円以下の罰金を課す。このように罰則を適用するケースは珍しいとのこと。同市の2002年度の被害総量は、350トン(175万円分)に及ぶ。
栃木・小山市は9月定例議会に、「廃棄物の処理及び清掃に関する条例」の改正案を提出する。罰則規定はないが、所有権を明示することで、窃盗罪で告訴することが可能となる。(田中潤)
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「志木市が廃棄物の減量化に関する条例を改正――資源ごみの所有権を明確化」(2003/06/20) |