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留辺蘂町:愛町債は断念も、住民から無利子で借金をして資金調達

2003/07/02

 北海道・留辺蘂町が計画していた、タマネギやジャガイモなどの特産物や除雪作業を利子の代わりに提供するという愛町債(ミニ公募債)の発行は結局、総務省から許可が下りず、断念するという結果となった。(詳しくは、特産品やエコマネー券付き愛町債に総務省が「待った」の記事を参照)

 そこで、町ではなく、知的障害者施設「るべしべ光星苑」(定員52人)を運営する社会福祉法人「北陽会」が町民から10年間無利子で資金を借り、返済不能に陥った場合は、町が損失を補償するという仕組みに改め、6月24日、町議会で損失補償議案が可決された。

 施設は9月に完成予定。1口10万円、100万円、1000万円の3種類で、改築工事費用約9億円のうち7500万円を住民から募る。契約締結から1年間は解約を認めない。利子の代わりに、同施設で作る廃油せっけんなどを贈ることも検討している。

 町は2年間で2億5000万円の助成を計画し、2002年度に7500万円を助成。2003年度に1億7500万円を助成する予定だったが、財政難のため1億円しか拠出できず、今回の措置を講ずることになった。町は2003年度より毎年750万円を積み立て、10年後に北陽会が返還する資金の全額を助成、北陽会が出資者に返済する。

 すでに12人から5000万円の協力の申し出があり、ほかの23人からも金額を示さない申し出があるため全額達成は確実とのこと。ゼロ金利債に代わる資金調達手段をうまく見つけることができたようだ。(田中潤)