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大阪府教委、教員採用試験の出願状況を公表

2003/06/10

 6月6日、大阪府教育委員会は来春の教員採用試験の出願状況(速報値)をまとめた。他都道府県からの現職教員枠(定員約100人)の応募総数は286人、そのうち北海道・東北が53人(18.5%)、関東・甲信越が122人(42.7%)、東海・北陸が40人(14.0%)、近畿が40人(14.0%)、中・四国が16人(5.6%)、九州が15人(5.2%)となった。

 当初は、大阪府教委が100人の現職教員枠と筆記試験免除などを設けたことで、和歌山県など近隣1府4県が「教員の引き抜き」だとして抗議文を提出する事態となっていたが(詳しくは大阪府が他都道府県からの教員採用枠を設定の記事参照)、近畿からの出願数は和歌山県教委が予想した100人を下回る結果となった。教員を引き抜く「仁義なき抗争」はとりあえず避けられる模様。
 府教委人事課は「採用を抑えた時期にやむを得ず遠隔地で教員となった大阪府出身者が応募したのでは」と分析している。

 なお、兵庫県だけは近畿で唯一、大阪府教委への抗議文には加わらず、「中立」の立場を取っていた。2002年度、県内公立校の教員数は3万4000人。そのうち40歳以上が71.8%、30歳以上が22.7%、20歳以上が5.5%で、大阪府と同様、教員の年齢構成はいびつとなっている。今後、30歳代の中堅教員不足は全国的な課題となることが予想されるため、府教委に抗議しても問題解決にはならないとみているようだ。
 文部科学省はこの問題について「公立学校の教員採用のあり方は各自治体が決めること」としている。(田中潤)