4月13日の福井県知事選・県議選と同日に、鯖江市で実施された合併ダブル住民投票は、武生市との合併に反対するという結果となった。合併ダブル住民投票に至った経緯は4月11日付の「JANJAN」の記事を参照(2003/04/11の記事参照)。
合併特例法に基づいて行われた住民投票では、武生市との合併協議会設置について、「賛成」が1万6207票、「反対」が2万699票となり投票率は74.79%。
市の条例に基づいた住民投票では、「福井市、鯖江市、美山町、越廼村および清水町の合併」が1万4009票、「武生市および鯖江市の合併」が1万3072票、「合併しない」が1万830人で投票率は74.77%。
5市町村での合併となると中核市が実現することになる。
この結果を受けて14日、酒井哲夫・福井市長と辻嘉右エ門・鯖江市長はそれぞれ市役所で記者会見。酒井市長は早ければ5月中にも現在の任意協から法定協へ移行したい考えを表明。辻市長も法定協への移行を検討したいとしながらも、市の条例に基づいた住民投票で「武生市と合併」「合併しない」が合計6割を超えていることから、「積極的に情報公開し、合意形成を図っていきたい」と市民の理解を求めた。
また、埼玉・朝霞市、志木市、和光市、新座市では、13日の県議選と併せて4市合併の是非を問う住民投票が実施された。
朝霞市では「賛成」が2万6494票、「反対」が1万5264票(投票率45.42%)、志木市では「賛成」が1万3376票、「反対」が8831票(同43.26%)、新座市では「賛成」が3万2750票、「反対」が2万9688票(同54.12%)とこの3市では4市合併に賛成票が上回った。
だが、和光市では「賛成」が5962人、「反対」が1万9825人(同48.16%)と反対票が上回る結果となった。4市の中で1市でも反対票が上回れば、4市での合併協は打ち切ることになっており、4市での合併は立ち消えとなった。
和光市での反対理由としては、「生活圏が東京寄り」「現時点で比較的、財政にゆとりがある」などが考えられる。さらには、ホンダが和光市に「世界本社」の新設を決めており、税収増などで市民に独立の気運が広がったことも理由のひとつと言われている。
この結果は17日の合併協で報告されるが、今後の合併の枠組みなどがどうなるのか注目される。
須田健治・新座市長は「今後は従前通り、広域行政を推進する」と述べたが、合併が白紙となったことについては残念な様子。
「反対」が上回った野木実・和光市長は「結果を尊重して市政を運営する。このままいい市を作れという市民の判断だ」とコメントした。(田中潤) |