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鯖江市 知事選・県議選に合併ダブル住民投票

2003/04/11

 福井・鯖江市では、4月13日の県知事選・県議選と同時に2つの住民投票が実施される。合併特例法に基づいて隣接する武生市との法定協設置の是非を問う投票と、市の条例に基づき「福井市など5市町村で合併する」「武生市と合併する」「合併しない」の三者から選ぶ投票。

 昨年9月から「丹南市民の会」は鯖江市・武生市による法定協設置を求めて運動してきた。それを受けて武生市議会は12月17日、合併協設置案を可決。だが、鯖江市議会では12月20日にこれを否決した。

 そこで、鯖江市長が1月の臨時市議会で「鯖江市の合併についての意思を問う住民投票条例案」を提案し、可決された。一方、「丹南市民の会」は2月12日、合併特例法に基づき鯖江市選挙管理委員会に対し「議会に法定協設置を求める住民投票」の実施を請求する署名簿を提出し、住民投票が行われることになった。

 しかし、合併特例法に基づく住民投票には公職選挙法が準用されるため、この投票より先に、市条例による住民投票を行うと、公職選挙法で禁じられてる人気投票とみなされる恐れが出てきた。また、市条例による住民投票は投票率が50%に達しないと無効となるため住民の関心が高いうちにと、同日に2つの住民投票を行うことになったのだ。

 このように同日に合併ダブル住民投票が実施されるのは、今年2月の福岡・宮田町に次いで2例目。さらに、県知事選と県議選も行われるのは非常に珍しいケース。

 そこで問題なのは、知事選などの期間中は公職選挙法によって様々な団体の政治活動が禁止されること。公開討論会や宣伝カーによるPR活動などが政治活動にあたるとみなされ、有権者にとって選択をするための判断材料が得られにくいという事態に至っている。

 大阪・高石市でも、4月27日に市長選・市議選に加えて住民投票が行われる。市長選・市議選とも堺市との合併が最大の争点となっている。大阪府内で合併を巡る住民投票は初めて。

 現職市長は「住民投票の結果を尊重する」としているが、市の発行する3月号の広報に「合併により、新しいまちづくりの可能性が膨らむ政令指定都市を目指すことが重要」と述べている。

 他方で、前市議の新人候補は「人口79万人の堺と6万人の高石では格差があり、吸収合併になる。小都市の幸福も保障されるべきだ」と反対している。(田中潤)