説明 | 現存し、世界文化遺産『明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業』登録の構成資産になっている、赤レンガ造2階建の初代本事務所は、明治後期から大正時代にかけての事業拡大により敷地も事務機構も手狭となっていました。そこで移転することとなり、新しい本事務所は、1916年(大正5)から枝光で建設が始まり、1922年(大正11)に完成しました。延床面積は初代の約8倍、桁行が100m以上もある鉱滓レンガ造3階建の大規模建築となりました。玄関やテラスがあった中央部を除くとH形の完全左右対称となっており、柱型や屋根の装飾切妻などに特色がある古典的なルネサンス様式でした。完成の翌年に関東大震災が起こり、レンガ造での建築が制限されたため、最後の大規模レンガ造建築となりました。老朽化に加えて、基礎が無筋コンクリート造で、杭を使わない工法だったことは不等沈下による亀裂を生じさせ、リフォームするにも構造的に大部屋が出来難いといった問題もあり、継続使用するには難点が多く、1991年(平成3)に惜しくも解体されています。
■八幡製鐵所二代目本事務所データ 所在地:北九州市八幡東区枝光1-1 (解体済) 構造:鉱滓レンガ造3階建、地下1階 屋根:鉄骨造洋式トラス 天然スレート葺 基礎:無筋コンクリート布基礎 床組:1階/木造床組束立 2・3階/I型鋼製梁+木造床組 外壁:鉱滓レンガ化粧積、一部擬石張り 桁行:103.75m 梁間:41.82m 軒高:17.0m 延床面積:8,029㎡ 竣工年:1922年(大正11) 解体年:1991年(平成3) 設計:藤本勝往 施工者:製鐵所直営
説明文は「fukuoka MAZE」ホームページより引用させていただきました。 https://fukuokaunderplot.com/funai/kitakyusyu/kitakyusyu_city/old_yawata_steel.html |