宵宮(よみや・よいみや)は、夜8時から「梵天(ぼんでん)太鼓」を神輿に担ぎ、西粟倉方面へ出発する。氏子総代や各地域の区長、組長の家がお休処となりご神酒による饗応がある。無論、正・副団長、高張は部屋内での特別接待を受ける事となる。ちなみに、1軒あたり8本/酒・1箱/ビールを用意するとのこと。『踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損々』まさに、この表現どおりでありました。
 順路の途中で繰り広げられる夜神輿は、提灯のぼ〜ッとした灯りに照らされ幻想的だ。各戸を一巡して神主邸に入り揉んだ後、上社から下社へと進んで「納め」となるが、このクライマックスが凄まじい。
 神殿への階段を登ろうとすると、皆で引きずり下ろし境内でもみ合いがはじまる。数回となく(約1時間)この光景が連続したのち、ようやく宵宮の納めとなる。東の空は白みかけ、時計の針は朝の4時を回っていた。
 このような祭りが継承されてきた理由の一つに、この地が秋元の庄であったことが考えられる。色々と調べていくうち、坂井昭著・戦国武将の時代に辿り着いた。この事は諏訪神社で記述します。
 佐久間秀雄氏(土地の古老)の話によると、近年祭事が途絶え、昭和初期に日渡根から神楽舞いを学び復活させたとのこと。祭事を維持管理していく上で、地元の人たちのご苦労と大変なご尽力があるそうです。特に、笛の演奏が難しく後継者を育成するのが課題との事でした。
 しかし、画面でご覧いただけるように若い人や女性の参加が多いのには驚かされました。さらに神楽舞いでは、小学低学年の男児が見事に舞いきっており、後継者は着実に育っています。地元の人たちの地域振興に注ぐ情熱と努力に心から敬意を表します。
 これを契機として行政に対し伝統芸能への助成のあり方について、ご検討をおねがいする所存です。機会があれば是非、宵宮を一度ご覧になって下さい。


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村の鎮守の神様の
 今日は楽しいお祭り

ドンドンひゃらら、ドンひゃらら
ドンドンひゃらら、ドンひゃらら
朝から聞こえる笛太鼓
♪♪♪