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都市再生・農業WG合同会議
大西隆東京大学工学部教授との懇談会 |
議事概要 |
2004年7月30日
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構造改革特区推進会議は7月30日に、大西隆東京大学工学部教授を招いて、都市再生・農業WG合同会議を開催。都市計画などについてお話を伺い、その後議論を行った。以下はその議事概要である。
1 大西教授発言要旨
今日は3つお話させていただきたいと思っています。1つ目は、さらなる分権的改革ということ。2つ目は、そうはいってもかなり分権的な、市町村が使えるいろいろな制度ができてきたので、それを活用するということも必要だということ。本来分権とはが目的ではなく、分権によっていいまちづくりができるということが重要なので、制度をうまく活用して自主的な、あるいは個性的なまちづくりをするということです。3つ目は、住民主導型ということ。市町村に分権化することがは大事だということは、市町村が都市計画において非常に優れた能力があるということもあるのかもしれませんが、それよりも、そこに住民がいて国民にとっていちばん身近な自治体が市町村だということです。したがって、そこが権限を持つことは住民に近い行政が行えるということが大きい点ですから、住民主導型ということです。
本日の趣旨が制度改革ですので、制度に絡めたお話を申しあげたいと思います。
私は国土審議会という審議会の委員をやっています。国土審議会では国土利用計画法と国土総合開発法との合体というのが懸案です。98年3月に五全総が閣議決定されましたが、御前層をつくったのですが、その検討を行っているときそのとき、もまだこのようなものをつくっているのかといわれたものですから、新しい形で取り組むという制度改革が必要だということを、五全総御前層自身の中に書き込んだわけです。それは明示的に国土利用計画法と国土総合開発法国総法を一体化するということです。、計画をひとつにするという表現になっていますですが、その背後には法律を一緒にするという考え方があります。、これは国土庁というか、国土交通省の国土計画局的にいえば、昭和50年代に国土利用計画法をつくったとき、ですね。本当は、国土総合開発法を改正しようとしたわけですが、当時は列島改造の時代で、地価高騰があって、そこに開発促進の国土総合開発法の改正案を持ち出してもが駄目だということで通らず、その代わりに地価を抑えるということを盛り込んだ国土利用計画法を制定したわけですでした。こその昭和50年代に改正しようとしたのを、今また、20数年経ってやり直そうというそういう側面があるのですが、この議論を国土利用計画法と国総法をにらんだ法改正を数年越し、10年近くになるのですがまだやっています。
この中で、去年の今頃に、4層の計画という話が出てきました。つまり、あって、全国計画、ブロックの計画、都道府県の計画、市町村の計画、この4つを4層の計画としてひとつの法律に書き込もうと国土計画局が考えたわけです。このように、国土計画局が考えたわけです。ところが、これに都道府県からが強いクレームが付いて、これが頓挫しました。今は都道府県の計画は任意の計画ですが、特にこれは都道府県の総合計画ということになります。これを任意ではなく、必ずつくる計画にして、しかも土地利用基本計画なども入れ込んだでひとつの大きな計画をつくり、その下に直接には市町村に国土利用計画ですが、同時に市町村においても土地利用基本計画をつくるようにして、一緒にそこに位置付けるようということを考えました。特に、市町村に土地利用基本計画をつくらせるとなると、これはるということが法律事項になりますのでるということで法改正をしようとしたのですが、いろいろな事情で頓挫しました。
都道府県が反対したこともているということもひとつですが、そういう格好かっこうで土地利用の規制を強化するような議論を持ち込むことは、が規制緩和が唱えられている今の状況ではできないのではないかということです。特に、国土利用計画法の中には地価の監視制度や取引規制が入っているので、物価統制的な法律が、というのは今のような地価の状態のときに提案されてもところに明るみにでると、それ自体が否定的な評価を受けかねない、衆人の目にさらせたくないということで、今、この構想は改革が後退しています。しかし、このままいくと新しい国土計画というのができないことになるので、これを単なる新しい六全総層にしないためには、法改正をめざさなければならないしてつくるという段取りを経なければいけないのですが、国としてはつくりたい、そのためには法改正したいしかしなかなかうまくいかないというジレンマにあるわけです。
いずれにしても土地利用関係の制度をどうするのかという議論が一方で出てきているわけです。全国市長会からの依頼でやった研究会でもそのことが議論になあって、筋としては国土利用計画の体系の中で分権化をが進めてんで、かつ市町村レベルでの土地利用計画をつくっていくができるというのがひとつの流れですが、規制強化的な響きもあるので、地方自治法をうまく使ったらどうか。つまり、て地方自治の目的の中に市町村ごとの行政域を管理するというような役割があるわけで、その中で土地利用を管理する役割も読み込めるのではないか。ということで、と考え、地方自治法に則った条例をつくるというやり方もあるというように提案も盛り込みました。されています。もちろん、法律としてはがすでに5つの個別規制正法があるので、地方自治法に則った条例をつくってもこれらの法律の定めを超えられないという問題があるわけで、法律とのやり取りは変わらないのですが、考え方としては地方自治法に基づいた土地利用条例なり土地利用計画というものが考えられます。したがって、研究会ではここでは都市計画制度といっていますが、議論としては5つの個別規制正法全体を含めた土地利用規制あるいは土地利用計画を視野に入れて議論してきました。
【都市計画決定の一層の分権化】
今後の分権的改革についてですが、特に横須賀市長が熱心にいっている大都市圏の自治体で用途地域が決められないというのは決められないことについては、おかしいのではないかという提案があって、これはアンケート調査などをやってみると、大都市圏の自治体では非常に不満そういう主張が強いです。3大都市圏では用途地域は規制というのが、大都市では都道府県の決定になっているのを改めることますが、さらなる分権化が必要な典型的な例だと思います。
そのほかにも、さらなる分権化がいろいろ考えられます。たとえば、基盤整備の例ですが、道路の幅員によってで計画決定のレベルが決まっているというのは問題で、これをおかしくてその道路の機能で決めるべきではないかということがあります。幅員が広くても割と長さが限られていて、機能的には都市の中の道路だという生活道路なり、あるいはシンボル的な道路などについては、市が決定できるようにするなど、べきだという機能に着目したできる分類が必要ないるのではないかということがあります。いずれにしても、まだ分権化が足りないという面があって、これについては内容を整理して分権化を求めていくということが必要だということです。
しかし、随分制度も改革されてきて、提案制度もいろいろできてきた。一般の住民も都市計画にかかわる提案ができるようになあってきたということで、そういう制度をうまく活用していくということも重要になってきています。たとえば、6月に国分寺市が条例をつくりましたが、この。国分寺市の条例は、都市計画上の諸提案を条例の中でさらに細かく手続きを定めて、市民が使いやすいように身近な条例の中に書き込むことにより、どういうふうに手続きを踏んでいくと提案がをできるのかという道筋を明らかにしたというのが大きな特徴です。そういう条例が現れているように、うまく制度を活用していくということも大事になってきました。
【条例によるまちづくり】
このように、条例をつくってまちづくりを進めるということが求められるようになってきたというのが2点目の論点です。私は横須賀市の都市計画審議会に参加しているのですが、そこで最近の横須賀の施策動向ということで条例をいろいろつくられているという話をが紹介してもらいました。が、もともとひとつの条例をつくろうとしていたのを、今ある条例の改正を含めて全部で8つくらいの条例に分解して、(新しい条例が5つくらいでき、統合されるものがあるので純増は3つくらいですが)、条例を8本つつくる。ろうとしていると。聞くところによると、市長が数も重要だということで、あまりひとつの条例にいろいろなものを入れ込まないで、ひとつひとつの条例の性格をはっきりさせた方がいいということで、そういうふうになったようです。
その背景には金沢市の影響もあるのではないかと思われますでしょうか。金沢市ではまちづくり関係の条例を20本ほどつくっています。市長にいわせると、つくり出すと止まらないと。条例をつくることにより、役所全体が勉強することになります。条例そのものを効果あるものにするということで勉強しなければいけないし、政策法務ホームという言葉がありますが、他の条例との関係やその法務的な勉強をしなければいけない。、かつ条例なので議会を通さなければならずないので、合意形成ということについても勉強しなければならない。このように、ひとつの条例をつくることが市全体のレベルアップにつながります。そういうこともあり、2000年以降にも随分たくさん条例をつくっており、私の調べた範囲では、まちづくり関連でこれほどの条例をつくっているのはほかにありません。
確かに、全国でみるとまちづくり関係の条例はを増えています。それらを整理していくといくつかのタイプがあります。ひとつのタイプは、ニセコ町が先鞭をつけたのですが、自治基本条例、自治体版憲法のような条例がひとつの流れです。地方自治とは何か、住民の権利とは何かなどから入り、住民が参加のするには大前提として情報の共有が必要だとして。情報の共有をはどう進めるべきかを規定していく。やってやるべきか。あるいは、住民の意思表示は単に首長や議員の選挙だけではなく、個々の政策についても住民投票制度の形かっこうで行うべきではないかということを定めていく。た自治基本条例、自治体版憲法のような条例がひとつの流れで、これがニセコ町から、たとえば熊本・宮原町にまで飛び火したり、全国にこういうタイプの条例ができています。私は個人的には住民投票をどんどんやる市町村が現れれば面白いと思うので、す。せっかく制度をつくったのですから、これを活用できるといいと思います。たまたま、今年はアメリカの大統領選挙がありますが、前の選挙ではが泥仕合になりました。が、あの投票日にたまたま私はミネアポリスにいたのですが、大統領選挙の日にはそのほかにたくさんの投票をするようです。大統領選挙という大きな選挙に併せて、それぞれのまちの住民投票をくっつけるわけです。投票日には投票場でに行くとその日はいくつも投票すると。日本でもそういうふうにやると国政選挙のようになどの投票率が割と高い大きくなる選挙とあ合わせて、一括して近辺で行われたいろいろな条例に関する投票などを行うと、それほどお金もかからずに実があがるのではないかと思いということも考えられます。抜かない伝家の宝刀ではなくて、しょっちゅう使う住民投票ができてもいいのかなと思います。そのようなは自治基本条例というのがひとつのタイプです。
地方都市では人口の減少や産業の疲弊などで非常に厳しい状態ですが、地域振興的な条例がもうひとつあります。たとえば、拉致問題で有名になっている福井・小浜市では、「食のまちづくり条例」というのがあります。、小浜は若狭の国で京都に海産物をに運んでいた、それをそれを「御食国(みけつくに)」?というのですが、その歴史を掘り起こして食の地産地消を奨励しようということを条例の中で定めています。条例の名前も食のまちづくり条例というものです。
それから、埼玉・深谷市では、同市は渋沢栄一が生まれたところですが、渋沢栄一はいろいろなことをやっていますが、まちづくりについては銀座のレンガ街以来、明治のまちづくりにはいろいろな学校に格好でコミットしています。当時、不燃化をするということで、レンガ建物が、関東大震災までは非常にはやっていたのですが、機械式レンガ工場を最初に深谷市につくりました。この日本煉瓦レンガ製造株式会社のホフマン輪窯や旧事務室などがが深谷市にできて、1997年に数年前に重要文化財に指定されておりますがたのを記念して、深谷市ではそれ以前からレンガのまちづくりを進め、96年には「レンガのまちづくり条例」という条例をつくって、レンガを使ったまちづくりを奨励していますしようと。それは、深谷市のレンガを使うまちづくりを奨励するというものかと思っていたのですが、産業的には深谷市のレンガは大したものではないのですね。むしろ、機械式レンガの産地というと福岡などのほうがずっと産出量が多いの量ですが、渋沢栄一以来のそういう縁があるということでレンガのまちづくりということを条例にしています。岩手・二戸市にのへい?では「宝を生かしたまちづくり条例を」を制定しと称して、何か目立つものを宝として認定してそれを保護したり、検証するという検証するという「楽しく美しいまちづくり事業」を進めております。このように、条例をつくったり、いわゆる地域振興につながるようなまちづくり条例というのがいろいろつくられています。
もうひとつのタイプが、先ほどの国分寺市や栃木・野木町などがそうですが、今までに要綱などでやっていた制度を、屋外広告物規制や空き地の管理、地区管理や生け垣の奨励があったりいろいろありますが、そういうものを全部条例化して条例の中で定めようというルールを明確化、体系化する条例があります。規制を強化するタイプの条例を含めて、ルールをきちんとつくろうというタイプの条例です。
だんだん気軽に必要なルールを決めて、それを条例化して、自分たちのまちづくりを定めていこう意向という流れがでてきているのではないかと思います。
まちづくり関係の条例がいくつあるのかというのはなかなか難しいのですが、「まちづくり」という名前が付く条例を数えると40〜50あります。「まちづくり」の名前が付かなくてもまちづくり関係の条例はもっと多いと思います。これがどんどん増えていく傾向にあるのではないかと思います。これを奨励してそれぞれが独自のまちづくりを条例として推進していくということになって初めて、個性的なまちづくりができたり、あるいは条例をつくって実際に進勧めていく中で法律とのバッティングがより明瞭になって、法律改正や規制緩和が切実な問題になってくると。将来そこに関係があるかもしれないということで、縄張りなわばりを抽象的に拡大している段階から、実際に条例をつくって自分たちの仕事を進めていく中で、バッティングするところを解決していくというかなり力強い分権化というのが、条例の蓄積によってできてくるのではないかと考えるわけです。
3つ目は、この間、千葉・市川市で住民税の1%をNPOに使ってもらおうという制度を考えているということが新聞で報道されました。長野県も今年の初めに同じようなことを考えて、今年の4月からやろうとしましたが、県の場合は県民税の徴税が市町村の手になっていて、長野県は市町村と仲がよくないので、県がこうしようと思っても市町村がやってくれないという問題があり、うまくいっていません。仕組みは、いったん税金として集めて、その1%分については納税者にどこに寄付したいのかを指定してもらいます。その指定してもらったところへ、まとめて市なり県が補助金という格好で出すということだと思いますが、税の1%がNPOに回るということです。これはハンガリー方式といいますが、東欧のハンガリーで初めて行われ、東欧で流行っはやっている税制です。東欧の場合には所得税(国税)が1%の対象になっています。国税庁が集めて、納税者は申告するときに1%分について、いわゆるNPOに、NPOの活動には仲間内のための社団法人的な活動と、公益的な活動があって、その公益的な活動がこの1%分を受け取る対象になります。ハンガリーはそうしたその組織が認定されていて、これがハンガリーで1万6000くらいあるのですが、2000年のに総額は日本円で17億円とで、年々増加傾向にあります。
【参加の4段階】
私は市町村への分権化とはについて、市民・住民にの近いところに権利が移ることが非常に大事だと考えています。市民が参加するということにつながるわけです。参加することには4つのステップがあります。1つ目、2つ目は階段のステップの幅があまり変わりませんが、足による投票と手による投票です。手による投票というのは、議員・首長を選ぶ、つまり政策を選ぶことによって、ある政策の実現を期すということです。足による投票というのは自治体を住み分けるということです。アメリカでいわれている理論ですが、経済学的にいうとパレート最適、つまり最適な自治体選択、居住地選択が可能になります。それぞれの自治体で税と行政などのとメニューが決まっていて、住民の側がその中でいちばん自分がいちばん好む税と行政のサービスを持っている自治体に移り住むと。自分の希望する税の集め方と行政サービスが受けられ、したがってその個人がハッピーになるというわけです。当然、いろいろなタイプの自治体がなければいけないので、分権化のメリットがそこで発揮されます。手による投票とは、住所を移さない住まないで政策を変えることですます。議員や首長を選ぶことでそのまちの施策を変えようというもので、どちらかといえば日本では、手による投票のほうがなじんでいて、あまり居住地を変えるというのは、それほど普及しているようには思えません。ただ、まちづくりでいうと、非常に規制の緩い土地利用のところが周辺にあればると、あるまちで勤めながらも規制の緩いところへいって住むと、そのほうが土地も安い。くなるこれは足による投票といえるのかどうか分かりませんが、そういう例もあるのかもしれません。
次に知恵による投票というステップがあります。知恵をみんなで出し合って政策をつくろうということで、これは参加型の政策形成です。今、多くの審議会で公募市民を入れたり、パブリックインボルブメントやパブリックコメントをして、そのコメントなりに誠意を持って応えるということが普及してきています。なかには市民組織に政策立案そのものをすべて委託するというところもあって、東京・三鷹市では基本構想を市民300人くらいのグループにつくってもらいましたっています。基本構想は最終的には議会の議決事項で市長が提出することになりますが、その素案をつくってもらうということです。川崎市では、基本構想の部分も含んでいます。従来型の審議会と、市民のグループによる議論の2本立てで並行して検討し行っていて、合同で会議をして素案の前の段階くらいのものを固めていくというやり方ものです。このように、それぞれの組織、自治体が何らかの格好で市庶民の知恵を引っ張り出して政策形成に生かすということをやるようになり、それに応える市民も出てきました。
しかし、知恵を最終的に政策化して、実施するのは従来型の行政ですが、基本的には実施部隊は行政の役割です。そこで、次の4つ目のステップは、知恵を市民が実現してしまうという知恵の実現です。市民グループが公益的な活動を自分たちでやってしまうということです。いろいろな分野でNPOやボランティアの活動が増えていますが、高齢化社会になって、ますますボランティア予備軍が廃止されていくということなので、そこがどんどん厚くなっていく可能性があります。したがって、知恵を単に誰かに提供する、行政の協力をするということだけでは、飽き足らずに、自分たちで知恵を実現してしまうというように考える人もでてくるのではないか。たとえば、神奈川県のソフトエネルギープロジェクトというのがあります。って、地球温暖化防止のために、太陽光発電というのが有効だ、と。再生可能エネルギーの供給・、普及が必要だというわけですが,。太陽光発電はこれは屋根が無いとできませんし、が、誰もが屋根のがある家に住んでいるとは限りません。都会ではマンションやアパートに暮らしている人が多いわけです。そこで、基金をつくって、自分の屋根にを取り付ける代わりに寄付をしてもらうと。SEPセップというソフトエネルギープロジェクトでは月500円、年間6000円の寄付をしてもらい、うと。そのお金を集めて、大きな屋根がある、特に学校関係などに話を持ちかけて、太陽光のパネルを付けるわけです。そこでは、電気代が節約できるので、節約分の一部を基金に還元してもらい、次のプロジェクトをやるという仕組みです。寄付をベースとして、え再生化のエネルギーの普及をしていこうということです。同じタイプのNPOは全国でも随分存在していて、滋賀県や関西に多いようです。また、横浜市では横浜にLRTを走らせる会というのが去年の今頃できた組織があって、関内のあたり、地下鉄ができたところですが、東横線がなくなった場所に、そこにLRTを走らせようと計画していますいうものです。中田市長に陳情するというのではなく、自分たちで経営しようということです。具体的に詰まったところとまではいっていないようですが、それなりにお客もいるので、寄付プラス料金収入でやっていけるのではないかという目論見で、もちろん公共用地公共遊地を使うことになるので、市の協力は必要ですが、実際の運営には市民組織がかなり力を発揮できるのではないかと思います。このように単に政策形成にかかわるということだけではなく、事業にかかわるNPOというのが出てできてきている。事業にかかわるということになると、資金が問題になるのんで、先ほど述べた寄付をハンガリー方式で集める意味が出てきます。ハンガリーでは、方式というのは、あともう1%を教会協会に寄付できるので、あわせて所得税の2%となりますです。市川市の場合は1%ですが、私は最初20%といっていました。2割くらいいくと大分違うのではないか。そうなると、世の中には民間部門が7割くらいを占めて、公共部門が3割なのですが、そうなれば、この公共部門のそのうちの2割くらいがNPOにいくといくことになり、世の中に公益的な活動をする市民組織と行政と営利を目的とする民間のというように3主体が登場して、それがいろいろな活動をするということになります。市民組織はも非営利、公益ということですが、それなりの経済的なの力を持って社会の一翼を担うことになるのではないか。それはある意味で、現在の地方公共団体の力を相対化する、少し減らすことにより、競争相手が現れるということです。、公共性ということが自治体の専売特許ではなくなるということですが、そういう緊張関係がもないと、地方分権だけが正義の味方で分権の受け皿の市町村が常に正しいというのも、納得できないというところがあるので、そういう議論も必要ではないかと思っています。
2 【質疑応答】
【ニセコ町】
住民の総意ということで土地利用基本条例をつくったとき、これが財産権の侵害だと裁判に持ち込まれるとどういうことになるのか。
【大西教授】
財産権の侵害の問題ですが、まず、土地の希少性というのは、日本では重要な財産だったのですが、人口が減っていくので相対的に土地の希少さも減っていきます。地価も下がってきます。こういう環境の中では、土地の重要性は少しずつ低下していきます。…
都市計画決定をしてずっとつくられていない道路や公園などがありますが、大体計画着工しても5年や10年経ってもで事業化していないのに権利制限だけは続けているするというのは犯罪的ではないか、自動消滅にしたほうがいいのではないかと思います。例えば、道路をやると決めたらすぐにやる。収用権を発動して必要だとみんなで決めたことについてはちゃんと作ってしまうと。そのために直接被害を受ける、収用される人については、みんなでしかるべき保証をして、しかし道路そのものが必要だとみんなが認定したわけですから、それはちゃんとやると。そういうところから、公共性をきちんと位置付けないと、ゴネ得的な最後の1人が反対して動かないないとか、そういう積み重ねが過度に財産権を重要なものにしてしまったのではないかと思います。習慣として公共性、その代わり公共性の正当性はが厳しく問われますが、いったん決定したことは速やかに実施するとそういう流れをつくっていく必要があります。
国立市はマンション問題を抱えていがありますが、主な裁判が3つあります。その1つは業者が市を訴えているものです。のがあって、市はが地区計画とその建築条例をつくって20mの高さ制限をしていますが、。これが、違法だとして損害賠償を求めています。1審では建築条例は適法だが損害賠償をしろということになりました。つまり、今建っているマンションが建築条例による高さ制限で既存不適格毀損不適格になったので、ています。これは狙い打ちなのでその損害賠償をしろということで、判決では4億円となっています。これから最高裁までいきますから、最終的にはどうなるのか分かりませんが、仮にそれが確定すると市の財政にとっては的には厳しいものがあります。
それで、興味を持って調べてみたのですが、さかのぼっていくと市は適切なときにちゃんと手を打っていないということがあります。空白の2年間があり、高さについては特に制限がない状態が存在したわけです。そのときに前の地権者がいちばん有効利用できるマンション業者に土地を売りました。当然、マンションを建てないと回収できない値段で買っているので、買っている人はマンションを建てるわけです。それが合法的に行われたわけです。もし、本当に判決がいうように、その土地が大事で景観が大事ならば、ルールをずっと前につくって空白をつくらないようにしておかなければいけなかったわけですないといけない。
もともと戦前以来高さ制限はありました。それから68年の都市計画法以降来は、2種住専が1500u以内というオフィスの面積規制がありました。ここはちょうど2種住専なので、東京海上が持っていたのですが、1500u以上のオフィスを持っていたのですががあったので、既存毀損不適格になってそれ以上建てられなくなりました。しかし、2種住専の時代はそれで過ぎたのですが、マンションにすれば売れば1500uという制限のが外れるので、マンション建設ということになったわけ従前の2種住専の規制にビルが建つということで今のようなことになっているわけです。国立市は2種住専のオフィスビルの床面積規制から絶対高さの規制とか、マンションが来ても対抗できるような規制に移行しなければならなかったのに、これを怠ったわけです。そういう行政の側に問題があると、なかなか急に一貫してやってきたのだといっても、納得できないものがあるので、きちんとした規制の正当性を固めるというのが一層大事になります。
【岐阜・多治見市】
土地利用に関して、多治見市では平成8年に線引きをしたところ、国道が走っていたり、JRの駅があったり、学校や幼稚園のあるところが、人口要件に満たないために調整区域になっりました。地域住民と会合などを開いてまちづくりのプランをつくろうとしているのだですが、土地を国交省と農水省がを縄張りで分けていると考えざるを得ないません。農業問題は土地というよりも担い手がいないのが問題で、それを土地の問題に転化しているような気がするします。農振地域だといっても従事者がいないので荒れていて、るという状況で規制だけがかかっているというのが不合理な状態である。、開発しようとすればの緩和策を考えようとしているなかで、国交省が農水省に持っていって協議をするのだと思うが、そういう不合理さについて、何かお考えのことがあれば教えていただきたいください。
また、横須賀市の条例は手続き条例で実質的な規制を行っているということだが、建築の手続きを規制することで、地元の合意を取ったり、説明会を何回開くなど余分な手かせ・足かせを手続きに加えるということでについて、そのように規制していくしかないのでしょうか。
【大西教授】
これからのまちづくりの基本的な考え方に関係があると思います。コンパクトシティという言葉があり、なるべく中心市街地を盛り立てて、コンパクトなまちをつくるべきだという考え方です。。土地利用の正常派というか規制派ということですが、農業地帯は農業地帯らしく都市は都市らしくつくろうと。そのルールをがきちんと決め、していて計画なくして開発なしというわけです。私もそういう意見に反対ではなかったのですが、だんだん考えが変わってきました。て、人口が減ってくると都市でも土地が余るので、田園的な風景が都市でも増えてくるの、都市の中にも農地があっていいのではないかと思っています。ややもうすこし恒久的な農地として、たとえば用途地域のひとつに農地を位置付けるとか、水辺を都市の周りの恒久的な水辺として位置付けるとかすることにより、都市の中に自然が還流してくるということが可能になりました。逆に、都市が拡散すると、交通が無駄になったり、エネルギーが無駄になったり、上下水道が大変だとか、要するに集積のメリットがなくなって無駄が多くなるのではないかということがいわれてきたのですありますが、技術の発達により、燃料電池車などが普及すると、あまり環境に迷惑がかからない自動車ができてきます。環境にいいのは公共交通だけなく、低公害車も環境に悪くはない。エネルギーでも燃料電池が家庭に配置されるようになると、それぞれ自分で発電してエネルギーを供給できるようになると。そう考えていくと、大都市にみんなが5〜6階建てに住むということではなく、数百100人単位の集落にが都市・農村が混じっていってても、それぞれローカルなルールが決めてあれば、そうほど暮らしにくくはなく、コストもそれほどかからないのではないか。分散的に暮らす、都市が拡散していく状態をそれぞれそれなりのルールを見つけてうまく暮らしていける道がいろいろな地域でありえるのではないかと思っています。
そういう観点でいくと、あまり農地は厳格に農地のままずっと維持していくと考えなくても、農地に囲まれて住みたいという人がいればその人に住宅をつくるというように土地利用を柔軟に考えてもいいのではないかと思います。
農業問題は別途あって、いつまでもできない中核農家を早くつくってもらいたいということはありますが、経営単位を大きくして合理化を図るということが進んでいかけなければならない一方で、日曜農園を始める人もいるかと思いますが、農業問題は別の問題としてあると思います。
地方自治法に則って、市町村が責任を持って総合的な土地利用計画を立てていけるようになければいけないのですが、(現実には法律とバッティングしますが、それは個々に解決するとして)、地方自治法に市町村への土地利用策定権を付与する規定をおく、風呂敷としては旗を立ててしまってはどうかというのが北大の亘理格教授の渡り提案ですね。
都市計画法もかなり少し要件緩和されてきていますからたりしていますし、地道に一歩一歩進めていくやり方も必要です。他方で、大きな枠組みの議論を整理する必要があるということですります。
【司会】
特区提案に対する各省の回答振りを見ると、極めて悠長な考え方で、市町村の切実な問題提起に答えていないような気がする。
【大西教授】
時間の問題については、そんなに切羽詰っているとは思っていません。切羽詰っているならば、それなりにた活動をやるべき場所は確保できるだろう。全体的に土地利用が緩んでいくというなかで、新しい土地利用のルールをどうつくっていくのかという議論が出てくるのではないかと思います。
【神奈川・横須賀市】
建築の手続きを条例で規制することについて、経緯から説明するします。特定建築等の行為の手続きや基準や紛争に関するものとして条例をつくり、ました。昨年2月に施行しましたが、この根本は以前からあった開発指導要綱の条例化であるす。地方分権とともに条例にしないと、われわれは対抗できない。一層の分権を進める上でルールがなければ、市民にも事業者にも対抗できないということから、条例化に踏み切っりました。かつては住民同意を得るために、や住宅開発をする際に1戸当たり何十万の寄付を求めることするなどがあっりました。あるまちでは1戸当たり100万円出せしなさいと事業者に求めたこともあってもいました。この条例化によってそういうものは一切なくしました。寄付金といっても、事業者からしてみると使途不明金であり、すよね。役所のために使うといっても実際には何に使われているのか分からない。住民同意も法廷法上で争った場合負けるのではないかと思い、同意条項もなくしました。しかしその代わり、計画の住民説明を義務化し、たました。住民側から意見が出たら市へ報告するというプロセスを義務化しました。事業者と住民は意見が一致することはないありませんが、とにかく話し合いの場を持たせるためのという意味合いで手続きをするということであるす。また、紛争が起きでた場合は市の内部に調停機関を設けるよう条例に盛り込んだみました。そのほかに、開発行為や中高層マンション、特定の建築を行う場合、こういう基準の下で行えいなさいという義務化の部分と、お願いの部分があるります。義務化の部分は、都市計画法の33条に技術基準があるのでそれを幾分か活用しました。お願いの部分は、自治法を活用しました。少し法に触れるようなところがあるかもしれないがません、自分たちの自治体のローカルルールとして確立されれば、市民権を得るかもしれないという期待があるります。出るところに出るのならこちらも腹を据えてやるります。そこまで、やらないと住民に軸足を置いた行政はできないと思っているます。
三大都市圏の用途地域指定についてはですが、独立した自治体であって、かつ横須賀市の場合、都市計画区域も行政区域と同じなので、こういう都市では三大都市圏など国の管理はなくして、自分たちの権限で土地利用をやらせてほしいと、都市計画決定権限の包括的移譲を訴えているます。あらゆる機会に訴えているが、答えはいつも同じであるす。はっきりいうと、何も措置していないのではないか。、今後フォローアップするという答えであるもありますが、具体的にどの段階でどのくらいフォローアップしてくれるのかということまで踏み込んだ答えがほしいので、また提案していこうと考えている出そうとしています。横須賀市の経験でいうと、たかだか2000uの第1種低層住居専用地域を近隣商業に変えてもらうのに4年程度かかっている。
港湾についても同じそうで、横須賀港の管理者は市であるが、す。重要港湾のためですから、臨港地区の決定権限は県にあるります。これを管理者に移譲しろということだ下さいということです。農地法についても、神奈川県で県の特例条例で委任の方向で考えるということで、県と市町村で協議を持っちました。茨城県などでは農地法の許可を降ろしているようだが、。
神奈川県では、土地利用に関する肝心のところは全部県が握っているます。そのため、通常、農地での開発や森林での開発となると、知事権限のためにあってその調整に多くの時間を要する。
横須賀市の実態でいうと、たかだか2000uの第1種低層住居専用地域を近隣商業に変えてもらうのに4年程度かかっています。
【草加市】
人口がどんどん減っていくなかで、国が関与してくる理由がよく分からないりません。市街化区域が複数自治体にまたがるものについては、国のほうが関与していくべきだという回答であるをしていますが、そうなると市町村独自の個性のあるまちづくりはできないができません。
【大西教授】
都道府県からの権限移譲については、都道府県も権限を持っていたいのですね。ですから、理解のある都道府県を除いては、結局国を動かさないといけない。ただ、広域的な影響をどうみるのかという問題は残ります。広域連合のような制度を活用して、連携して都市計画をたて、するのだと、ゾーニングによるの影響範囲はどれくらいかを都市計画区域で見て、を覆って、そのなかで自分達で横の調整をがきちんとやるから、行われた格好で自分たちで決めているので、それ以上のお伺いを立てる必要はないというやり方を取る必要はあります。単に市町村に権限を下ろしても、それだけでは降りても何らかの形で都道府県は関与してくるだろうと思います。となれば、できれば、市町村側もくっついているところは、一緒に都市計画区域を共有して決めるという試みが改善はあってもいいと思います。ただ、国まで関与する及ぶ必要があるのかは疑問で、というか、首都圏整備法による都市市街地とか近郊整備とかの政策区域が絡んでいると思いますが、これ自体が有名無実になってきているので、それを根拠にして関与が残っているというのは非常におかしい構造になっています。
国土総合開発法と国土利用計画法の見直しの話がありますが、それができたら次にブロックの制度に及ぶなど、地域開発も50年もやっていてほころびており改革をしていかないといけませんが、最初のところで時間を食っている状態なので、随分時間がかかりそうです。根拠のないのに権限にしがみついていると思いますが、こういゆうのは第3者機関が判定していくやり方がをするという必要かもしれないがあるのでないでしょうか。
【多治見市】
通常であれば、線引きの権限は県ですが、用途区域の指定は市の権限になっているでやらせてもらっていますが、線引きの権限は県にあり、。線引きの権限を市に持ってこようとしても相手にされないのです。が、先ほどのコンパクトシティのような理想的な形はほとんどんないと思っているます。特に、多治見市は名古屋市から35kmほどあり、バブルの頃は開発の波が来ましたが、開発が来ると郊外に住宅団地が何千戸とできるのですが、沈静化すると過疎化の問題になるのです。そういう中で、何千人が住んでいるひとつの住宅団地がを郊外にあるのですが、コンパクトというのはそれをひとつの市街化区域の考え方としてやっていかなければいけないと思っている。て、中心部に大きな円があってその周辺に小さな円がいくつかある、その小さなちいさな円が飛び市街地として機能するのが現実的だろうと思っているます。しかし、が、飛び市街地の要件は技術的な基準で、地域再生計画で提案すると、都市計画運用指針で書き込まれた飛び市街地の要件は技術的な基準であるから現行制度でできるという回答ことなのだですが、現実にはこの50haという都市計画運用指針の数字が生きていて、なかなかそうならない。用途などそのへんのことは自治体で決めさせてもらいたいということがあります。
【大西教授】
地方分権一括法の結果、通達が廃止されなくなって、あまり細かな命令根拠がつくれなくなりました。かったわけです。その代わりに運用指針ができたわけです。て、この運用指針が実態としてどう扱われているのかよくは分からないのですが、通達とあまり変わらないのではないかと思います。こういう議論の場を踏まえて、現場的な観点から基準なり指針なりをつくって、それは国の技術的な基準とは少し違っても、現場で十分消化していくるというようにして、それを根拠に運用していくが行われていくということになり、拠り所が変わるため展開も変わっていくというようなやり方もあると思います。今、通達が消えたのにもかかわらず、新しくい運用指針が生きているだけが出ているところがあります。これに代変わるのは条例だと思いますが、条例は個々の自治体でつくっていくので、もう少し各自治体に共通した拠り所があってもいいと思います。
【米原町】
米原町では工業団地があり、造成済みのところが完売になっているのだですが、新たに企業が進出したいので20〜30haの土地をどうにかできないかという打診を受けました。市では市街化区域の土地はないので、調整区域の農振地の転用をほうへということで県に相談したのですが、県は県内に工業団地を見渡すと企業が張り付いていないところがあるから、あえて米原市で農地を転用しなくてもではなくてもいいのではないか、ほかのところに譲ってはどうかといわれました。企業はのほうもいろいろとリサーチして米原市に進出したいということだと思うのだですが。
【川崎市】
川崎市は政令市のため、用途地域の指定権限は移譲されており、特区で都市計画関係の穴をあけていかなければならないという要望はない。
ただ、農地に関しては市の北部に農振地域が残っていて、ここは市街化調整区域なのに都市部に近いところなのででは、乱開発の部分も起きながら、一方、担い手がない。また、農振地域しか土地を持っていない農業者がいるので、所得格差の問題もあるります。農地が違う形で利用できても、実際に相続税の猶予をしないと次世代にの継承できないのが大きな問題なので特区で穴を開けようとしたているのですが、特区では税の問題は扱わないということでボツとなっているになっています。
市としては、職業訓練の施設を作るとか、特養ならば建設できるので特養を建てるとかいろいろやっているが、これが農地の地権者の部分の場所やそうした施設を建てるところが立つところを均等に配分できるような制度を考えなければならない。のですが、逆に規制をかけて土地利用の制限をかけていくことも農業者を守ることも考えているますが、こんな時代に逆規制をかけるのはどうかということで、なかなかうまくまとまっていないというのが現状であるす。
【戸田市】
時間的な経過が追えないということが大きな問題になっているます。たとえば、何か提案を受けてやろうとしても最終的な結論を出すまでに極端にいうと2年かかるとなると、現場サイドからすると市民の納得を得られない。なぜそんなにかかるのかという疑問を市民から受けることになるています。用途について市に決定権限がないので、市の内部で合理的に考えて妥当だと判断しても、それから最終的なものに持っていくまでに非常に時間がかかるります。事業を進めるためて5000uの用途地域を変更するだけで1年半もかかってしまったうという例もあるります。
【足利市】
足利市は3大都市圏ではないので、自分の市の考えで用途を変更できるますが、それでも県の同意が必要である。、今変更しようとしているところが、工業専用地域を工業地域にしようとしているのですが、5年やっていていまだに変えられないません。45年当時に線引きをして、たのですが、そのときには市街地の周辺部に工業専用地域を指定したのだですが、市街化がどんどん進んでまちに隣接した地域になってしまった。、しかし、工業専業地域のなかで、産業廃棄物の施設など工専でないとできなような施設がけっこうある。一方、って、そこは半分以上の土地がまだ田んぼで、工専では活用しようにも出来なくて困っているので変更しようということになった。のですが、そうなると産廃の人たちをどうするのか、住民の説明会をやると産廃の人たちの反対が強い物凄いといったことになっています。県は地元の合意を何とかしてから持ってこいきなさいというだけである。また、期間が2年ほど空いたたときもあったので、また説明からと繰り返しになって、なかなか進まないり、県の同意がきついということがあります。県の同意をもらうには下協議をするのだですが、これが終われば終わったも同然で、あとは手続きに乗ってスケジュールに進んでいくだけになるります。市が決められるとはいえ、けっこう大変だです。
【大西教授】
県の都市計画に対して市が要望する制度もできましたが、下協議ではなくオフィシャルな制度を活用することができないのでしょうか。水面下というか隠されているというか、そのへんに問題があるのではないでしょうか。たとえば、3大都市圏でも用途地域の変更を正式に都市計画法の条文に基づいて都道府県に要求することなどがあると思います。
都市再生法が使えるのかどうか分かりませんが、あれだと6ヵ月以内に返事をしないといけないことになっています。ですから、緊急に何かを要するときはそういう法律のリンクを考えていくと、期限を切って回答を求めるということもできるので、いろいろな手段をかみ合わせるということができると思います。いろいろなツールができてきたというのは事実です。しかし、あまり法律を盾に取ると角が立つのではないかということが働いて、水面下の下打ち合わせで済まそうという、これが時間がかかる原因ではないかとも思います。
68年法で都道府県が中心となる都市計画となって、90年代の改革で市町村となり、さらにそれに住民参加が加わって急速な変化を遂げていると思います。諸外国を見れば、北欧型の発想でいえば、土地利用の拘束的な高速的な決定・、規制というのは市町村、基礎自治体がやって、それを裏付ける、オーソライズする広域的な計画というのをドイツでいえば州が持っているなど、とか、全体の総合的な計画が一方では必要ですが、実際の拘束的な高速的な規制というのは基礎自治体に権限があるべきだということです。そういう原則に立って、発想するということがふうに日本でも考えていいのではないかかなと。分権を個別にやるよりも、本来市町村が土地利用の規制権限があるのに、と。日本ではそうなっていないので、そういう観点に立ったときに、どこがいちばん大きな問題かとか、原則を市町村決定ということに移して考えるという議論を起こすことが必要かと思います。しかし、市町村がすべてを決めるということではなく、地域間のバランスということもあるので、都道府県の役割もあると思います。今は都道府県のマスタープランの扱い方にばらつきがあり、意味がはっきりしないということもあるので、本当の意味での広域的な総合計画をしっかり取ってもらう必要があります。
それと、条例をどんどんつくって、法律とバッティングした場合に、条例を支持指示する学者もたくさん現れるので、活性化するのではないかと思います。
3 大西教授退席後、東京ランポの辻利夫事務局長から発言があったが、NPOの活用、支援税制などの話が中心であったので、割愛する。
4 その後、今後のWGをどうするにかについて、話し合い、以下のような意見が出された。った。
@ 一斉提案をするとなると、地域の事情具体性がそれぞれなので、なかなか付き合えないということがある。共同提案ならば、具体的な計画をものは付けずに同じ文面を使うことが出来るがっているが、それでは同時多発でやろうとするとすべてにそれぞれの計画書を添付しなければならず、実際には不可能だにはならない。雛形をつくって、固有名詞だけを自治体ごとにはめ込むように試みたことがあったが、やはり各自治体に個別の事情もあるので、なかなかうまくいかなった。
A 特区なり地域再生計画はそれぞれの自治体が個別の計画ベースの話で進めて、それとは別に制度論のような意見は、意見としてまとめて省庁や世間などに訴えるという2本立てでやっていくことを検討する。
B 都道府県の対応が問題となっているので、都道府県ごとに権限移譲の進捗度を示すマップのようなもののを作成を検討する。 |
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