1 特区、地域再生計画についての総括的所見
【評価できる】
・地方から国に対して提案する仕組みができた。
・国の硬直化した制度の中で規制を緩和し、経済の活性化を図れる。
・行政改革という意識を覚醒させ、従来のあり方に一石を投じ、霞ヶ関省庁の対応の態度に変化があった。
・各省庁の意識改革、自治体側の政策立案能力の向上。
・規制緩和が困難とされてきた、医療・教育・農業分野において少なからず規制の緩和がなされた。
・地域の課題を解決し、独自のまちづくりを進めていこうとする意欲のある自治体にとっては、魅力的だ。
・各自治体において国からのメニューをベースに考えるのではなく、独自の事業をベースに国に対して要望していくといった流れを作った。
・地方分権時代には必要な制度であり、効果的である。
・地域に分権化の意識が高揚した。
・市役所の政策立案機能の強化につながる。
・各地方自治体の特色や創意工夫を生かせる可能性が高まった。
・地域独自の取組が可能となり、地域の特性も活かされ、やる気が出てくる。
・障害要因の洗いだしに利用できる。
・地域が自らの発展や問題解消のために、地域独自の施策を考えて動くというような、地方自治の本来の取り組み方を植え付けた。
・地域の特性を活かしたまちづくりが進められ、自立した地域分散型社会のモデル都市が形成される。
・規制に対する組織内の意識が徐々に変わってきた。
・地方からの規制改革提案を定期的に受け付け、各省庁において検討するシステムが構築された。
・「地方分権」に対応するための自治体内部の意識改革、職員の政策立案能力向上のためのトレーニングとなった。
・自治体にとって経営能力を向上させるための格好のトレーニングになっている。
・職員の意識の改善が図られ、今まで気が付かなかった色んな問題点や課題が浮かび上がった。
・提案・申請について、自分の地域の特性(長所・短所)を見つめなおす良い機会になっった。
・全般への刺激という面で役立つ。
・事務処理や意思決定の高速化を要求され、自治体側がそれに対応できるようすべての作業を素早く処理し、意思決定するよう、自治体の変革を促す効果が高い。
・同じ問題を抱える自治体が相互に連携して特区の共同提案を行い、発言力が格段に向上し、共通する課題の解決に向けて自治体が相互に連携する新たな可能性を示すことができた。
・何度もあきらめずに提案をし続け、継続することにより、同趣旨の考えを持った自治体、NPO等と協力することが可能となった。
・民間のビジネス的発想と地方自治体の地域性の発想がうまくマッチする提案ができる特区は成功する。だが、地域の事業者や市民へアイデアを募集しても,なかなか具体的なニーズが掴めないのが実態。
【評価できない】
・「構造改革特区」や「地域再生」という言葉から連想されるようなダイナミックで本質的な提案が多いとはいえない。
・実務的には役に立たない。規制緩和と言っても小粒の規制緩和ばかりで、実のあるものとは評価し難い。
・地域再生においては、国の支援方策等をもっと地域の実情に則して進めるべきだ。
・内閣府の更なる主導力発揮を期待したい。
・一律に「財源を伴うものは不可」との制度には限界がある。
・普通交付税による算入は、不交付団体においては財政的なメリットを再生施策に見出すことができない。
・国による再生施策については、地方交付税算入よりも補助金制度の拡充が望まれる。
・厳しい地方財政の中で、特区により政策を進めるためには、十分納得のいく効果がないと進めることができない。
・税制等に踏み込んだ対応が必要だ。
・特区については、一定期間後に評価し全国拡大との方向があったが、この目的が見えてこない時点で地域再生計画がでてきて困惑している。
・地域再生計画がでてきて、なおさら特区との役割分担が不透明になったのではないか。
・地域再生計画制度は、特区より財政的にはいいのかもしれないが、内部・外部において多岐にわたる調整が必要となる。
・省庁の対応が柔軟であれば、効果的な制度となる。「やる気のある自治体」を認めることは有意義だ。
・膨大な事務をこなして申請したその後すぐに全国規制緩和されるという情報を得ると、しばらく待った方が得策なのではとなってしまう。
・認定されない場合など、労力が報われない。
・タイミング的に合併問題との枠組みが決まらない中で、政策的に進めづらい。
・教育の分野に限ると、文部科学省の方針や計画を前倒しにするような内容も多く、自治体格差は深刻な状況にある。自治体の財力により教員の採用・配置数が変わり、実施できない自治体では市民からの不信感が募るなど、全体的に公教育への不信感の増大を助長させているケースも見られる。
2 構造改革特区についての評価
@ 特に評価できること
・英語教育特区
・株式会社やNPO法人による学校の設置
・学習指導要領によらない多様なカリキュラム編成
・教育委員会制度の在り方の検討
・幼保一元化特区(省庁の垣根を超え、運用が可能となった)
・福祉施設の効率的な利用の推進
・高齢者、身体障害者などの移動制約者に対する、NPO法人等によるボランティア輸送としての有償運送可能化
・民間企業の医療や農業への一部参入
・どぶろく特区(メディアに度々登場し地域のPRに一番貢献した)
・多様な経営形態の容認による農業への新規参入の促進(株式会社等の農業経営、地域の実情に応じた農地取得の容認)
・地方公共団体及び農業協同組合以外の者による特定農地貸付け事業
・土地区画整理事業地内の従前の形態のない土地の分合筆
・土地開発公社の所有する公有地先行取得事業用地の地方公共団体による有効利用
・仮ナンバーの簡素化の認定。
・臨時開庁手数料の軽減による貿易促進事業により手数料を半額にする規制緩和
・通関業務の24時間・365日化
・ビザ関連の簡素化
・公務員制度改革
・収入役、農業委員会などの必置規定の見直し
・コンビニエンス・ストアにおける納税
・地方自立特区(地域経済の活性化ばかりに目が向いていたが、この特区提案を見て初めて、行政組織そのものを特区で変革できる可能性に気付かされた)
・環境・リサイクル経済特区(市の中心産業が衰退する中で、企業と市が一緒になって考え、デメリットをメリットに変え産業構造改革を行った)
A 改善すべきこと
【制度そのものについて】
・国・都道府県・市町村の役割分担を明確にしていく必要がある。
・特区とは、体制の整っている地域での実験的な規制緩和制度だということを、内閣府のほうから繰り返し伝えてほしい。
・各省庁は、特区制度が先行実験プロジェクトだという意味を再認識する必要がある。
・認められない理由が抽象的であるものや現状で対応できるとされているものが多い。
・同じ趣旨の提案でも自治体によってその条件や運用方法が異なる場合でも、省庁の回答が全く同じ内容になっている。省庁の回答に対して特区推進室以外にも第三者機関が正当に判断し、物申すようにしてほしい。
・省庁の、提案未実現事項への抽象化、一律化された回答による対応はやめてほしい。
・提案したが認められなかったもののなかで、全国的に要望があり、重要と思われるものについては、特区推進室等が主導して、データのやりとりでなく、面と向かって議論をできる場を持つ必要がある。
・関係省庁と直接のやり取りがほとんど無い。
・関係省庁とのやり取りを詳細に公開してほしい。特に不可及び現行の制度で対応可については、具体的に説明してほしい。
・分権なら分権で、県の方でしっかり対応するようもっと積極的に働きかけてほしい。
・所管府省庁の措置の分類が「D−1:現行の規定により対応可能」であったとしても、許可権者である都道府県が実施に対して後ろ向きである等、現実的には実施が困難な場合がある。「現行の規定により対応可能」という回答を出すのであれば、都道府県に対して、杓子定規的な対応を行うのではなく、地域の実情に応じて柔軟な対応を図るよう通達等を発するなど、市町村が事業の実現を行うための具体的で現実的な環境づくりまで行ってほしい。
・「現行制度での対応が可能」なものについては、法律等では制約がなくても省庁の運用(窓口、通知、指導等)で不可能であったものであり、取扱い運用が変わることに期待している。
・都道府県が規制権限を持っている事例(例:都市計画法の運用)についても特区制度が活用できるような仕組みづくりが必要だ。
・「現行制度で可能」とされたが、関係省庁の実務担当者の理解が得られないため、実際に進展しない例もある。積極的で、前向きな検討をしてほしい。
・特区として対応方針が認められたものを見ても、大部分は全国への拡大へ繋がらない。
・構造改革特区に限って認められた規制緩和については、弊害がなければ早急に全国展開するべきだ。
・特区の成果があると認められる計画については、次の段階として税財源措置を講ずることが可能な制度にしてほしい。
・案件によっては財政的措置が必要だ。
・同様の課題を抱える市町村と積極的に連携を図り、問題解決に向けた対応方策を検討する必要がある。
・株式会社の病院経営への完全開放などの根幹の規制改革が実現していない。
・私学助成、中でも株式会社又は、NPO法人の設置する学校に対しての私学助成は必要だ。
・文部科学省は他の省庁に比べて規制緩和に消極的。全国的に教育分野の提案を促し、教育という「聖域」に踏み込むべきだ。
・幼稚園と保育園の施設設備基準の統一化やアーケード内におけるイベント等に関する警察署長からの使用許可の不要化などが認定されていない。
・違法駐車及び交通に支障を及ぼしている路上駐車等の規制における権限移譲等について、関係省庁の意識改革や、地域自治体、団体、市民等と所管警察署との連携や役割分担をしていくことが必要だ。
【運営について】
・構造改革特区・官製市場改革ワーキンググループを強化する。
・評価委員会を規制の特例措置決定までのプロセスにも関与させるべきだ。
・全国規模で認める規制緩和を増やしていくべき。
・構想提案に対する所管省庁の回答について,専門的な立場から評価を行う機関の設置が必要だ。
・提案募集の回を追うごとに特区又は全国で対応となる比率が減少している。
・膠着した案件について別の議論の場を設け、所管省庁の判断について、より明確な説明責任を負わせる必要がある。
・各省庁と「合意できなかった」規制改革要望についてもその実態を充分に調査し、総合規制改革会議に反映させる。
・行司役と思われた内閣府の役割が十分発揮されていない。
・特区推進室と省庁の具体的な議論の内容が、提案主体によく見えない。
・推進室は、提案主体にもっと頻繁に意見を聞いてから各省庁とのやり取りをしてほしい。
・内閣府から関連省庁の回答に対して、再検討を促したものについては、少なくても同府(特区室)主導による判断を期待したい。
・実現しなかった提案について、各省庁に再検討を促してもらっているが、その結果、どれほど実現したのかをマスコミを通じて大々的に開示して欲しい。提案に対する実現件数の率についてもマスコミを通じてプロパガンダ的に開示してもらいたい。
・特区として認められなかった事例においては、他都市でどのような規制緩和が提案され、どのような回答があったのか検索が難しく、より容易な検索方法について検討してほしい。
・過去の提案と各省庁の対応をわかりやすい形で検索できるようデータベースを構築してほしい。
・国としてユビキタスネットワーク社会を目指しているのであれば、応募はWEB上のみとしてはどうか。
・メールでの提案申請を可能にしてはどうか。
・提案、申請書類については、できるだけメール等で提出できるようにする。
・提案書の書式が概略の記載であり、地域の抱える問題の実状が関係省庁に伝わりにくい。
・申請手続書類や、実績報告書類が細かすぎる。
・特区制度や地域再生計画制度を発展させていくために、推進室の強化が必要だ。
・構想提案から実際の特例適用まで約10ヶ月を要しているが,この期間を短縮してほしい。
・書類の提出において、時間的余裕がほとんどない。
・法改正にかかる時間をもっと短縮してほしい。
・市町村内部の調整と意思決定の時間確保のため、もう少し時間的な余裕が欲しい。
・準備に余裕を見たいので、次回の提案や申請の時期を、なるべく早く教えてほしい。
・関係省庁の回答に対する地方公共団体の意見を提出する機会を増やしてほしい。
B 共同提案のテーマ
・共同提案については、提案内容がまとまっていることが前提であり、共同提案する市町村との連絡調整が十分できる時間的な余裕がとれるか等により困難だろう。共同提案でなく、市町村ごとに提案するほうが、提案件数が多くなり関係省庁に対する効果があるのではないか。
・共同歩調を取ることは、総論では可能だが、各論に入ると各市町村で微妙に主張が異なり、まとまりにくいのではないか。共同歩調の取り方については、総論の部分で行い、各論については、各市町村の独自性を出せるよう工夫するとよい。
・多くの自治体が提案しており、省庁の回答が一辺倒であるものや、多くの自治体が活用できるテーマを取り上げる。
・共同歩調提案について、内閣府はどのように受け止めているのか、考えを聞きたい。
・全国展開に結びつく提案をするべきだ。
・経済産業省の前向きな対応に比べて、総務省や農林水産省、文部科学省の後ろ向きな対応が際だっている。
・幼保一元化について、保育園と幼稚園の所管の違いが県レベルになると融合して検討してもらうことが困難なようだ。
・地域に対応した農業への企業参入の促進(農業ビジネス、都市近郊型農業)
・農地法、都市計画法における権限委譲や、地域性に即した対応
・農業振興地域の除外
・農地転用
・都市計画の線引き権限の委譲
・三大都市圏における用途地域決定権限の移譲
・国内の外国との貿易を行っている港湾都市で、国際競争力に打ち勝つため自由貿易地域(フリートレートゾーン)の認定
・イベント開催時等の道路使用許可の簡素化
・聖域視されている教育分野
・地域住民が学校運営に積極的に関わることのできる住民参加型学校の実現
・株式会社の経営による学校に対する私学助成
・違法駐車・路上駐車の規制に係る権限移譲
・市税等滞納整理事務に関する民間参入特区
・介護保険制度の改正
・国保制度の改革
・地方の特性によらず、選択肢を拡大する分野
3 地域再生計画について
@ 特に評価できること
・国庫補助施設の目的外使用等(公立学校、繰上償還不要等)
・工業用水道施設の他用途転用
・水辺の自由使用ガイドラインの策定
・NPO法人をTMO推進事業者となれる者に追加
・地域の視点に立った雇用対策の推進
・イベント開催時の道路や河川の占用等の弾力化
・道路空間の積極的活用を実現する地域活動円滑化のためのガイドラインの策定
・みちづくり交付金事業の運用改善(目標達成型の導入)
・合併後の住居表示に旧市町村名に「区」を付して表示することの容認
A 改善すべきこと(特区と同様の内容もあり、それらについては省略した)
【制度そのものについて】
・国の支援措置が、規制の特例に偏っている。
・地域全体で取り組むことができ、経済効果が期待できるものについては、規制緩和にこだわらずプログラムに乗せてもよかったのではないか。
・国のお墨付きが大きな意味を持つ。
・国会議員、知事及び各省庁の役人に現場の最前線の声を届ける工夫が必要だ。
・いい内容の結果であっても、実際には表現を変えただけで、運用で何ら従前と変わらないものがある。
・省庁間にまたがる規制緩和や制度改正を推進する。
・構想ベースで提出されているものはほとんどなく、特区制度に近い。
・市町村の裁量を拡大する補助金の統合化が認められなかったが、実現するためには国の関与を最小化する必要がある。
・申請者と一体となり反証していくことが大切だ。
・提案にあたっては地域再生構想というビジョンが必要なので、その規制を緩和する合理的理由が特区よりさらに求められる。
・各省庁においても最優先課題に位置づけ、積極的に地方からの提案を受け止めるよう取り組み体制を強化してほしい。
・認められなかったプロジェクトの中には、現行法上で対応できるものや、類似した内容で認められているものがあるため、それを踏まえて地域再生計画を提案していく。
・認定計画に対する財政支援が必要だ。
・「補助金の統合」「地方への権限移譲」の比重を大きくし、国直轄事業の改革も包括した制度とすべきだ。
・補助金の要件緩和・集中等を行ってほしい。
・都市計画法、農地法など、国等からの権限移譲を行ってほしい。
【運営について(特区と同様の内容もあり、それらについては省略した)】
・推進プログラム自体が、今後検討していくといった内容も多く見られるため、実際の計画策定には不確定要素が多く使えないのではないか。
・提案や申請の時間が短期間なので、地域住民や企業とのコンセンサスが取れない。提案及び申請を1年に1回とし、できれば5年間制度として続けて欲しい。省庁に対して、推進室の対応を強化して欲しい。
・まず制度がどんなものかからはじめるにしても、把握する間もなく申請期間であったので、構想を検討したり、市の将来に関わることの重要な判断を下すには時間的余裕がない。
・制度の骨格や支援内容を明確にした上で、十分な検討期間を確保できるよう、募集期間を長くとってほしい。
・反証をする場合に、どのような資料を講じたかが不明確で、反証をどの時点で行えば良いのか分からなかったので、反証のシステムを構築することが重要だ。
・推進室の強化が必要ではないか。
・地域再生推進室と関係省庁との折衝の前に、地方公共団体へのヒアリング等を実施するなど、新しい取り組みを検討してほしい。
・各県での説明会を開催してほしい。
・特区と比べて省庁とのやり取りが少なかったが、今後は統一してほしい。
【構造改革特区と地域再生計画について、2つの制度が並立していることの良し悪し】
・特区でなければできないこと、地域再生でなければできないことがあり、相乗効果が期待できる。
・構造改革特区といった規制緩和を絡めての、地域一体の経済再生、雇用創出を図ろうとするスキームは評価できる。
・従来の弱点を補う新たな制度を迅速に展開するという考えは理解できる。
・内閣に直結した「政策会議等」だけでも地方分権改革推進会議・総合規制改革会議・地域再生本部・構造改革特別区域推進本部・市町村合併支援本部の5つの会議体があり、個々の会議体が部分最適を追求することで、全体最適を損なっているので、これらの会議体が相互に連携しつつ、統合的に施策を展開する必要がある。
・規制への特例が必要なものでなければ地域再生推進プログラムに組み込まれないというのではなく、国として、法整備や財政措置の必要がないものについても、実現可能な構想に対しては、「地域再生推進プログラム」として認定し、施策の集中やアドバイスなどの支援措置をとることはできないのか。
・構造改革特区の制度の中に地域再生計画を組み入れるべきだ。
・地域再生という概念で、規制改革、権限委譲、補助金の統合などをツールとして使い、特区として認定してはどうか。
・今後、特区制度をどうしていくのか、見えない部分があるが、制度が法律に位置づけで実施するか否かで類似しているので、一本化してほしい。
・既に特区認定された地域の計画を地域再生計画として認定すべきだ。
・地域再生計画制度は不透明の部分があり、また特区と重複して考えてしまう部分がある。
・特区計画と地域再生計画が同じものとなるケースが多い。
・特区制度に比べ、地域再生計画は、メニューが多種あり理解しにくい。
・特区と地域再生について、提案後の国の扱いがどう異なるかよく分からない。
・制度の統一を図ってはどうか。
・地方自治体側は特区制度を地域経済の活性化、他地域との差別化に効果を求めており、両制度は統合した施策とした方がより実効性がある。
・将来的には、一本化の検討も必要だ。
・「構造改革特区」は「地域再生」に吸収する形で、早急に一本化すべきだ。
・構造改革特区は地域再生の中の規制緩和の部分だけを特化したものと位置付け、今後は地域再生の中に構造改革特区を含めていく形にするのが妥当だ。
・規制緩和やアウトソーシングなどは、どちらの制度の範疇に入るかなど地域再生計画の提案等の内容が曖昧で分かりにくい。
・構想提案において、どちらの制度を選択すればいいのか、判断に困るケースもある。
・両制度は明確な棲み分けがなされていないため分かりにくく、各担当部署が混乱しており、目指す方向性を明確に規定した上で、手続きの上では1つに統一し、地域再生の目的である地域経済の活性化と地域雇用の創造の実現については、1つの組織で対応し、その他の目的については受け皿として現行制度の特区で対応して欲しい。
・現在、どちらを重視すべきなのか、片方の制度を選んだことによるメリット・デメリットは何かなどが分かりにくいので説明してほしい。
・2つの制度をどのように使い分ければよいのか、また2つを有機的に連携し活用できるものなのか、具体的に示してほしい。
・進め方もほぼ同等なため混乱するので、違いを明確にして進めてほしい。
・誰が見てもこの両者にどういう違いがあるのかなど、簡単に制度を把握できるパンフレットがあると内部での説明などに使用できる。
・地域再生計画は構造改革特区をさらに一歩進めたものと捉えているが、庁内的に、あるいは市民に対して特区とどう違うのか、あるいは都市再生との関連性等説明が難しい。
・構造改革特区制度が、現場に定着しつつある時期に、地域再生が打ち出され、かつその中に構造改革特区の包含もあるという、現状のわかりにくさもあり、現場に定着するまでに一定の時間を要する。
・常日頃から地域再生や構造改革特区を踏まえて施策・計画等を考えていくことが重要だ。
・提出サイドとして同じような書類の事務手続きに莫大な時間をとられ、非常にもったいない。継続するなら、現実にあわせてひとつの制度とし、応募もWEB上のみとすべきだ。
・企業ニーズ把握なくして出したメニューおよび支援プログラムでは、ギャップは埋まらない。
4 特区推進会議の運営について改善すべきこと
・これまでの様な総論型ではなく、あらかじめポイントを提示して議論すべきだ。
・WGの研究事項を具体化してほしい。
・「C:特区として対応不可」「D−1:現行の規定により対応可能」とされた案件については情報等が少ないので、情報提供をしてほしい。「D−1」に位置づけられた複数の市町村から提案された事例について「なぜ、このような提案がなされたか?」「本当に、現行の規定により対応可能なのか?」「どのようにしたら、実現可能か?」等の分析が必要だ。
・先進自治体の事例等(特区を導入し、実際に地域活性化について成果を挙げている事例)を具体的に示してほしい。
・地域再生計画の推進を側面から支援する活動を導入してほしい。
・特区構想の提案に対する規制改革の対応率が低下してきているので、個々の自治体が提案するというのではなく、共同提案などを考える部会等を設置する必要がある。
・特区に対する取り組みが各市ばらばらで、実際一度も提案していない市町村も8割以上あると聞いており、これらの自治体をいかに巻き込んでいくかという活動も推進会議としてはあってもいいのではないか。
・各構成団体への呼びかけや調整を進めてほしい。
・もっと多くの市町村が集まるよう働きかけてほしい。
・九州地区などブロック毎の委員会を開催する等、交通費等の面をもう少し考慮してほしい。
・電子会議室を作成し、そこで議論が盛んになればワーキンググループの時間的・距離的制約がなくなる。
・既に起動しているかもしれないが、毎回HPを見ていることもできないので、会議の状況をメーリングリスト等を利活用して、教えてほしい。
・内閣官房構造改革特区推進室・地域再生推進室及び関係省庁の担当職員との意見交換の場を設けてほしい。
・推進室との連携を強化する。
・経済財政諮問会議、総合規制改革会議などの情報提供と連携する。
・全国市長会経済委員会の特区研究会と連携して取り組むべきだ。
5 その他
・地方行政の画一性・非効率性の最大要因は、現行地方自治制度による地方行政管理システムにある。
・総務省には、自治体の意見によって自らの方針に変更を加えることを良しとしない、旧態依然の「御上意識」が残っている。
・特区、地域再生の制度を通じ、事業推進を妨げる規制が多いことを実感した。
・細かな通達などでさえ、特区のような制度をつくらなくては対応、改革できないほど国(省庁)は小回りがきかなくなっている。
・「自治行政経営」の基本に関わる分野について、地方の裁量の拡大につながる特区提案に向けた議論を深めたい。
・都市再生特別措置法との関連や、全国総合規制改革会議等との動きについても調整が図れると良いのではないか。
・地域経済活性化の視点からだけではなく、市民生活の向上に寄与するような提案もできるものとすべきだ。
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