(改定版)
目 次
☆ 多くの自治体の応募を心から期待する 臨時行政改革推進審議会会長 鈴木 永二 1
☆ 地方主権の実現をめざせ 獨協大学学長 恒松 制治
1 パイロット自治体は政策実験の場です 2
2 どこの市町村も参加できるパイロット制度
3
3 具体的なメリットは
4
4 こんな実験をしてみませんか
6
5 申請の手続は
11
【参考資料】
1 「地方分権特例制度について」(1992年12月8日閣議決定) 12
2 「地方分権特例制度実施要領」(1993年4月5日事務次官等会議申合せ) 15
1992年12月8日の閣議決定で、地方分権特例制度(パイロット自治体制度)が実施されることになり、93年4月5日にはその実施要領が発表されました。これにより、いよいよこの制度はスタートしたわけです。しかし、その具体的な内容はすべて運用に委ねられております。
行革国民会議ではかねてから地方主権を提唱し、このパイロット自治体制度につきましては行革審の審議に関係者も参加して、少しでもこの制度が明確で内容豊かなものとなるように努力をして参りました。残念ながら、この制度は自治体に対して権限、財源などの面で明確な保証をするものにはなりませんでしたが、いつまでもそうした過去のことに拘泥することは運動を前向きに進めることにはならないと考えます。
このパンフレットは、審議に参加した経験をも加味しながら、目一杯この制度を活用するとするならばどういうことが言えるかを試みたものです。したがって、当然のことながら、政府としての見解はこれよりもかなり内輪なものとなるでしょう。
しかし、私どもはそれに怯まず、この制度が全て運用に委ねられていることを逆手に取り、各自治体がここに盛り込まれたこと、さらにはもっと強い要求を中央政府につきつけ、地方自治をかちとる運動をおこすことを提案するものです。
パイロット自治体制度はそうした運動の手がかりには十分なるものと考えます。
政府は92年12月に地方分権特例制度(いわゆるパイロット自治体制度)の実施とそのための推進本部の設置を内容とする閣議決定を行ない、93年4月にはその実施要領を発表致しました。これらの内容は、92年6月19日に私ども行革審が出した第3次答申の内容にほぼ沿ったものと言えましょう。
この制度は、地方分権の実行を各自治体のイニシャティヴにもとづく政策実験の推進という形で具体的に進めようという画期的なものであります。制度の早期実現・弾力的機動的運営など諸般の事情から、この制度はまず既存制度の弾力的運用を最大限に図るという形で実施することになっております。その意味では、この制度はこれから実行を通じて逐次つくりあげていく制度であると申せましょう。
したがいまして、この制度が当初の狙い通り各自治体の創意工夫を発揮させ一般制度改革の道を拓いていくものとなるためには、その運用の状況に絶えず注意を払っていかなければなりません。
私は、まず、多くの自治体がこれに応募され、地方分権の歩みを大きく加速させることを心から期待いたしますとともに、実際の運用が各自治体の期待を裏切ることのないように関係各省に求めていく等、全力を尽くしていきたいと考えております。
これからの自治体に求められるのは、中央政府からの与えられた政策をただ単に忠実に実行する能力ではなく、自ら考え自ら実行する能力であると思います。まさに地方主権の時代が到来したと思います。パイロット自治体の制度はこれを実現するための一つの手段であり、この制度を活かすことが出来れば、これからの地方主権の獲得運動に貴重な一里塚を築くことになるでしょう。
自ら考え自ら実行するということは、自治体にとって決して楽なことではありません。しかし、その苦労を乗り越えない限り、地方主権を実現することは出来ません。その勇気をもつ自治体に対しては、私どもは心から声援を送り、出来る限りの協力をしていきたいと思います。
★「地方分権特例制度(パイロット自治体)」とは、自治体が現場でさまざまな政策実験を行いやすくするための制度です。その実験結果を積み重ねて、一般制度改革に結びつけていこうとしているわけです。
企業では現場からの改善提案をどんどん採用して経営を改善していく運動(QC運動、TQC運動)は当たり前のものとなっています。どうして行政ではこれが実行できないのでしょうか。過去の慣例や多くの法令に縛られて、身動きが出来ない状況なのではないでしょうか。
今回実施されることになったパイロット自治体制度は、現場の知恵と経験を最大限に活かし、大胆な政策実験を行うことを狙いとしています。いわば、行政のQC運動です。いちいち国や都道府県にお伺いをたてずに自由に政策が実行できるようにして、本当に住民にとって必要な政策とはなにかを探っていくための制度です。まず試しにやってみることが肝心です。その成果を積み上げたところで、一般的な制度改革に迫っていくのです。
★住民にとってわかりやすい地方分権論が展開できます。
これまで地方分権の推進のために多くの努力が払われてきました。しかし、機関委任事務の見直し、補助金制度の改革、起債許可制度の弾力化など、議論の割りには実効が挙っておりません。
「地方分権の推進」と抽象的なスローガンをいくら大声で唱えても、一般の住民にはなんのことかわかりません。それよりも、住民も参加して、たとえばまちづくりの計画、高齢者対策、教育など具体的なプログラムを市町村がつくり、その実現のための権限や財源を獲得していく運動をおこせば、誰でも納得し支援していくことができます。
地方分権実現のための一般的なアプローチは今後も粘り強くおこなっていく必要がありますが、それと同時に、具体的な事例で突破口をこじあけていくことが必要なのです。
★パイロット自治体は、まず政策実験の場であるとともに、地方分権の必要性を具体的に示すショールームの役割をもになっているのです。まさに先導的試行なのです。
★パイロット自治体にはどんな市町村でも参加できます。
この制度ははじめ人口20万人以上の市を念頭において立案されましたが、これはあくまでも目安に過ぎません。それ以下の市町村でも、やる気が十分ならばパイロット自治体になることができます。この点は、閣議決定よりも実施要領でさらにはっきりされました。
また、近隣の市町村と共同で申請することもできます。といっても、小さい市町村は共同でなければ申請出来ないということはありません。あくまでもやる気とその内容です。
★ほかの制度との組合わせも自由です。
政令指定都市やこれからできる地域中核都市(第2政令指定都市)も、パイロット自治体になれますし、新しく発足した地方拠点都市がパイロットになることもできます。むしろ、こうしたいろいろな組合わせを実験していく必要があります。
★パイロット自治体の数には特に制限はありません。
パイロット自治体の数について特に制限はありません。実施要領では「著しく多く申請が出された場合には、多様な地域や分野について実施できるよう調整を行なう」と書かれていますが、調整が必要なほど申請が出て欲しいものです。
★第1次募集は93年8月末、第2次募集は94年6月末が締切です。
1回限りの募集では不十分であるという主張が取入れられ、募集は2年間になりました。既に計画のあるところは直ちに応募をお勧めしますが、これから考えるというところは第2次募集を目標にするのがいいでしょう。
なお、実施要領によれば、その後の追加も場合によってはありうるとのことです。
★新しい実験を試みたい自治体はどしどし応募して、その熱気で地方分権推進のエネルギーを蓄えていこうではありませんか。
このパイロット自治体制度はあくまでも制度全体の枠組みを決めただけで、権限財源その他の移譲を個別具体的に決めたものではありません。
本当にどのような権限や財源が与えられるのか自治体として不安をもつのは当然ですが、黙って座っているだけでは何の進展もありません。中央政府からの「おすそ分け」を待つのではなく、状況は自ら作りだしていくものです。
★パイロット自治体の最大のメリットは自由を獲得することです。
行革審の答申ではパイロット自治体制度について、「地域の行政主体が、自らの課題により主体的に取り組むことを可能とすることを狙いとしている。したがって、各種の地域振興立法にみられるように、補助金等の重点配分や税制上の特例措置を講ずるなど、国が後見的な立場から様々の手厚い措置を講ずる事によって地域の振興を図ることをねらいとするものではない」と述べています。
地方拠点都市の場合には、国が重点的に地方都市を整備するためにいくかの恩典が設けられていますが、権限などは一般の市町村と特に変りはありません。パイロット自治体の場合は、補助金が増えるなどの恩典があるわけではありませんが、権限や補助金の活用についての自由裁量が増えるところが根本的に違います。
★法律の制定・改正を必要としない範囲のことならば、なんでも申請できます。
地域づくりの事業などを進めて行くうえで、いつも泣かされるのは許認可や補助金などのがんじがらめの制度です。しかし、その多くは法律の本文に書いてあることではなく、政省令や通達、慣習などによるものです。
このパイロット自治体制度は、法律に書いてあることについての特例は要求できませんが、「法律の制定・改正を要しない範囲」のことであれば、特例措置を設けようというものです。したがって、やる気になればかなりのことが出来るのです。
やる気にさせるのは、まず自治体の熱意です。
★許認可は自動許可的に迅速に処理されます。
パイロット自治体は、特別の法律でその権限を保障されているものではありません。あくまでも現行法の運用で処理しようとするものですから、許認可などの手続きは従来通り必要です。しかし、審査の大幅簡素化・迅速化、提出書類の簡素化を図ること、また、市町村の意向を尊重することなどが実現されることになっています。必置規制なども弾力的に運用されることになっています。
★補助金は手続きが簡素化され、地方単独事業として実施することも検討対象となり、制約が少なくなります。
補助金については、手続きの簡素化、補助金要綱などの縛りの緩和が図られるだけでなく、補助事務・事業を市町村の単独事務・事業として実施することも検討されることになります。補助事業から起債事業への切り換えなども大いに試みるべきです。
単独事業とすることによって、その市町村に対して単なる補助金打ち切りが行われるだけというような実損が生ずることはありません。その場合には交付税等によって手当をすることが閣議決定には明記されています。その具体的な方法は個別に検討されることになります。
ただし、地方交付税などには総枠がありますから、各市町村からの要望がかなりまとまった金額になったときには問題になります。「国と地方の財政状況を勘案しつつ、地方財政計画全体の中で措置する」という行革審答申や閣議決定の文言が、制約的に働かないよう、十分留意していかなければなりません。
いずれにしても、補助金の取り扱いが技術的にも一番面倒で、行革審でもおおいに議論があったところです。実績を積み重ねて、ルールを作っていくしかないでしょう。
★起債許可制度も弾力化されます。
補助金対象事業に関連する起債(補助裏債)は一定の枠内であれば自動的に許可されます。さらにその他一般の起債についても自治省は「適切に配慮する」ことになっています。この部分も実績を積み重ねていくべき分野です。
★中央省庁は申請に対しては速やかに回答し、拒絶する場合にはその理由を示し、また、代案を出すことも求められています。
自治体からの申請は直ちに各省庁に回され、一定期間内に結論を出さなければなりません。この「一定期間」とはどれだけなのかは実施要領には書いてありません。標準処理期間を明らかにしていくことは今後の課題です。
各省庁は要請に対して全て認めるとはかぎりません(ここが、弾力的運用の泣き所です)。しかし、各省庁は拒絶した場合には、その理由を明らかにすることが義務付けられております。木で鼻を括ったような返事ならば、これを公にして大いに糾弾する必要があります。
また、各省庁は拒絶した場合、代案を出すことが求められています。ただし、これは義務ではなく「その他の可能な措置を講じるよう配慮に努める」という努力規定です。
★どのような分野で政策実験ができるかといえば、どんな分野でも実験ができます。市町村はあらゆる国の許認可、補助金等について、その自動許可的あるいは弾力的運用を国に申請できるのです。
行革審の答申では、都市整備、農村振興、福祉・衛生・保健、教育・文化など地域づくりに関する事務・事業を自治体の主導で行うことを念頭において、別紙として地域づくり関係許認可および補助金のリストを掲載しています。そのリストは9〜10頁に掲げておきました。また、実施要領には、申請の際のヒントとして、これまで行革審などが答申した権限や補助金の運用改善指摘事項を掲げています(18頁参照)。
これらはあくまでも例示であって、対象分野や事項は予め限定しないことは閣議決定に明記されています。つまり、市町村はどんな分野についてもパイロット自治体となって実験を試みることが出来、そのための権限や補助金についての運用の改善を関係省庁に要求することができるのです。
むしろ、実際に事務・事業を行う立場から、ここに挙げられていない項目をどんどん要求し、今後の一般制度化の内容を豊かにしていくことが必要です。
★実験の分野は広範な総合的なものでも構いませんし、特定の一つの狭い分野でも構いません。むしろ、いろいろな自治体がそれぞれやりたいと考えていることを絞って、鮮明にアッピールをしていくことのほうが訴える力が強いと思います。
政令指定都市やそれに準ずる大都市では、さまざまな分野の政策を一体として進めていくための工夫をするための実験が必要かもしれません。しかし、小さい自治体ではたとえば老人福祉とか国際交流といった一つの政策目標だけに絞った実験というほうがやりやすいかもしれません。
また、市町村の中の特定の地区を対象とする事業でも構わないと実施要領には書かれています。
★住民参加の実験こそ大切です。
パイロットの実験には住民の支持と協力だけでなく、「参加」が不可欠です。パイロット制度の目的を単に国と市町村という行政組織間の権限争いにしてしまってはなりません。計画づくり、事業の実施に住民の広範な参加を求め、国の規制や指導によらない住民自治のあらたな実験こそ、民主主義の確立という地方分権の目的にかなうものです。
★たとえばこんな実験をやってみたらどうか、という例をいくつか挙げてみます。これはあくまで単なる参考ですから、それぞれの自治体でさらに大胆な独自の計画をたてることをお勧めします。
【地域本位のまちづくり政策】
1 都市計画区域の変更や地域の実情に即した細かなゾーニングの設定
2 条例による大規模宅地開発や高層建築建設の制限や市民参加型の都市計画審議会、まちづくり審議会の設置
3 総合補助金制度の導入など総合的・計画的な予算投入による市街地再開発事業の推進
4 ウォーターフロントなどの一体的開発。漁港の活用や河川の自主管理。
5 農振地域の指定解除。
6 林野庁、環境庁、農水省などに分れている補助金の一体的運用による総合的緑行政
7 道路敷、河川敷など公共空間および周辺地域の市民的利用による景観創造とまちづくり。国道、県道の地下利用
8 下水道、農業集落排水など各種下水道事業の一体的な整備、運営。独自システムの開発、実験
9 国道、都道府県道、市町村道、農道、林道など各種道路の一体的集中的整備
10 市民の安全性・利便性を重視した道路設計、バス停などの整備・配置
11 複合施設の設置。たとえばデイケアセンター、小学校、保育園、公営住宅などの 各種補助金を一体的に導入して地域毎の中核施設づくり
12 地域づくり、まちづくり関連の単独事業化。そのための、交付税対象をあてにしない起債。
【独自の産業・農業政策】
13 各省庁の個別補助金を統合した地域活性化対策の総合的実施
14 市町村による農地取得と新規就農者の募集、援助
15 農協の固定的な地域割りを排した自由な相互乗り入れの実現
16 環境型農業の一体的振興(耕種農業と果樹、畜産、水産、林業、醸造)とその販売。
17 農地所有の自由化によるふるさと農業の推進
【独自の教育政策】
18 地域に応じた自由な教育カリキュラムの編成
19 学校給食設備を活用した地域の老人給食事業
20 公立学校に於ける外国人教員(教諭)の採用
21 各省庁の個別補助金を統合した高齢者いきがい対策、生涯学習、文化伝承事業などの総合的実施。コミュニティスクールなど自由な地域教育の場つくり
【総合的な社会保障政策】
22 地域での保健・福祉・医療の統合されたサービス供給体制の整備
23 住宅、ケアセンター、病院を含めた老人福祉総合施設の設置、運営
24 検診制度と老人医療の無料化の組合わせ
25 外国人医療制度の創設
26 障害者雇用のガイドライン、保育所の弾力的運用など雇用環境の整備
27 複合施設の設置や既存の施設のリメイクや目的外使用。たとえば小学校、保育園、公民館などでの巡回診療所の開設
28 公民館・文化施設に障害者・精薄者の作業所などの施設併設
【地域にあった環境政策】
29 環境(大気、水質、騒音など)についての独自規制
30 市民参加型の環境アセスメントの制度化
31 公害防止策を徹底した工業地帯のリストラクチャリングの推進
【その他】
32 公務員の国籍条項の撤廃
【別紙1】 地域づくり関係許認可等 (行革審第3次答申より)
1 まちづくり
(都市整備関係)
@ 都市計画の決定及び変更に係る都道府県知事の承認(都市計画法)
A 都道府県知事が定めることとされている都市計画(都市計画法)
B 改良地区内の土地の形質変更、建築物の新増設に係る都道府県知事の許可等(住宅地区改良法)
C 宅地造成工事規制区域に係る都道府県知事の指定及び当該地区内での宅地造成工事に係る都道府県知事の許可 (宅地造成規制法)
D 公営水道事業等に係る厚生大臣及び都道府県知事の認可その他の監督事務(水道法)
E 公共下水道事業の事業計画に係る建設大臣及び都道府県知事の認可その他の監督事務(下水道法)
F 都道府県知事が行う屋外広告物の制限等(屋外広告物法)
G 特定都市開発地区等に係る都道府県知事の指定等(民間事業者の能力の活用による特定施設の整備に関する臨 時措置法)
H 市内の町の新設、廃止、名称の変更に係る都道府県知事の告示(地方自治法)
I 緑地保全地区内の建築物の新設、改築、増築等に係る都道府県知事の許可(都市緑地保全法)
J 流通業務地区内の基準外施設の建築に係る都道府県知事の許可(流通業務市街地の整備に関する法律)
K 流通業務市街地の整備に関する処分計画の決定、変更に係る都道府県知事の認可(流通業務市街地の整備に関 する法律)
L 新都市基盤整備法に係る施行計画・換地計画(新都市基盤整備法)
M 新住宅市街地開発法に係る処分計画の決定、変更に係る都道府県知事の認可(新住宅市街地開発法)
N 市街地再開発組合の設立及び市街地再開発事業に係る事業計画、権利変換計画、管理処分計画の決定、変更に 係る都道府県知事の認可(都市再開発法)
O 市街地再開発事業施行地区内の建築行為等に係る都道府県知事の許可(都市再開発法)
P 土地区画整理組合の設立に係る都道府県知事の認可、土地区画整理事業施行地区内の建築行為等に係る都道府 県知事の許可(土地区画整理法)
Q 都市公園の区域の変更等に係る建設大臣への報告(都市公園法)
R 特定水利使用に関する流水占用許可等に係る建設大臣の認可(河川法)
S 公営住宅の管理に係る都道府県知事の指示(公営住宅法)
21 耐用年数を経過した公営住宅の用途廃止に係る建設大臣の承認(公営住宅法)
(農村整備関係)
@ 農地の転用に係る農林水産大臣及び都道府県知事の許可(農地法)
A 農用地区域内における開発行為に係る都道府県知事の許可(農業振興地域の整備に関する法律)
B 農用地区域内にある農用地の特定利用権を市町村が取得する場合等に係る都道府県知事の承認(農業振興地域 の整備に関する法律)
C 農用地利用計画の変更に係る都道府県知事の認可(農業振興地域の整備に関する法律)
D 農住組合の設立に係る都道府県知事の認可(農住組合法)
E 保安林に係る農林水産大臣の指定及び解除(森林法)
F 森林の開発行為に係る都道府県知事の許可(森林法)
G 都道府県知事が作成する山村振興計画(山村振興法)
(産業関係)
@ 特定工場の新増設に係る通商産業大臣及び都道府県知事への届出及び指導監督(工場立地法)
A 工業等制限区域内における作業場等の新増設の許可に係る国土庁長官及び関係大臣の承認(首都圏の既成市街 地における工業等の制限に関する法律)
B ガス事業に係る通商産業大臣の許可、その他の規制(ガス事業法)
C 商工会議所の設立に係る通商産業大臣の認可その他の監督事務(商工会議所法)
D 小売・販売業者等に係る通商産業大臣及び都道府県知事の立入検査(家庭用品品質表示法、消費生活用製品安 全法、電気用品取締法)
E 農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する都道府県知事の立入検査(農林物資の規格化及び品質表示の 適正化に関する法律)
(交通網整備関係)
@ 公営交通事業のバス路線の新設、事業計画等に係る運輸大臣の認可等(道路運送法)
A 鉄道に係る工事計画及び鉄道施設の変更に係る運輸大臣の認可等(鉄道事業法)
B 地下鉄を道路下に敷設する場合に係る建設大臣の許可(鉄道事業法)
(港湾整備関係)
@ 公有水面埋立に係る運輸大臣及び建設大臣の認可並びに都道府県知事の免許(公有水面埋立法)
A 港湾施設の現状変更に係る運輸大臣の承認(港湾法)
B 漁港施設の現状変更に係る農林水産大臣の許可(漁港法)
C 倉庫営業に係る運輸大臣の許可その他の監督事務(倉庫業法)
(環境関係)
@ 国立公園特別地域、特別保護地区及び海中公園地区内の工作物の新増設等に係る環境庁長官及び都道府県知事 の許可(自然公園法)
A 悪臭物質の規制地域に係る都道府県知事の指定(悪臭防止法)
B ばい煙発生施設、粉じん発生施設の設置に係る都道府県知事への届出(大気汚染防止法)
C ばい煙発生施設における燃料の使用基準に係る都道府県知事の決定(大気汚染防止法)
D 騒音の規制地域に係る都道府県知事の指定等(騒音規制法)
E 振動の規制地域に係る都道府県知事の指定等(振動規制法)
F 建築物用地下水規制区域内での都道府県知事の採取許可(建築物用地下水の採取の規制に関する法律)
2 福祉・衛生・保健
@ 社会福祉法人の設立、定款変更に係る都道府県知事の認可その他の監督事務(社会福祉事業法)
A 社会福祉法人の設置する養護老人ホーム、特別養護老人ホームの設置に係る都道府県知事の認可(老人福祉法)
B 在宅精神薄弱者援護施設等への短期入所に係る都道府県知事の措置(精神薄弱者福祉法)
C 福祉事務所の設置に係る都道府県知事の承認(社会福祉事業法)
D 母子相談員の設置(母子及び寡婦福祉法)
E 墓地、納骨堂、火葬場経営に係る都道府県知事の許可等(墓地、埋葬等に関する法律)
3 教育・文化
@ 市町村立盲・聾・養護学校の位置の変更に係る都道府県教育委員会の認可(学校教育法)
A 国庫補助を受ける図書館館長の司書資格取得要件、司書の配置基準(図書館法)
B 公民館の設置基準(社会教育法)
C 重要文化財、史跡、名勝、天然記念物に関する現状変更等に係る文化庁長官及び都道府県教育委員会の許可 (文化財保護法)
【別紙2】 地域づくり関係補助金等 (行革審第3次答申より)
1 まちづくり
(都市整備関係)
@ 地方道改修費補助
A 雪寒地域道路事業費補助
B 公園事業費補助
C 街路事業費補助
D 住宅地区改良費補助
E 住宅宅地関連公共施設等整備促進事業費補助
F 特定住宅市街地総合整備促進事業費補助
G 交通安全施設等整備事業費補助
H 公営住宅建設費等補助
I 古都及緑地保全事業費補助
J 市街地再開発事業費補助
K 市街地住宅密集地区再生事業費補助
L 都市再開発関連公共施設整備促進事業費補助
M 土地区画整理事業費補助
N 都市河川改修費補助
O 準用河川改修費補助
P 下水道事業費補助
Q 水道施設整備費補助
R 廃棄物所路施設整備費補助
S 施設周辺整備助成補助金
21 特定防衛施設周辺整備調整交付金
(農村整備関係)
@ 農村総合整備事業費補助
A 農道整備事業費補助
B 農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業費補助
C かんがい排水事業費補助
D 農業集落排水事業費補助
E 諸土地改良事業費補助
F 農用地開発事業費補助
G 牛肉等関税財源農用地開発事業費補助
H 農地防災事業費補助
I 農地保全事業費補助
J 公害対策事業費補助
K 林業地域総合整備事業費補助
L 林道事業費補助
M 林道改良事業費補助
N 農林漁業用揮発油税財源身替林道整備事業費補助
O 造林事業費補助
P 森林病害虫等防除費補助
Q 山村等振興対策事業費補助金
R 林業構造改善事業費補助
S 農地保有合理化促進対策費補助金
(港湾整備関係)
@ 海岸保全施設整備事業費補助
A 海岸環境整備事業費補助
B 港湾改修費補助
C 港湾公害防止対策事業費補助
D 港湾環境整備事業費補助
E 漁港修築費補助
F 漁港環境整備事業費補助
G 沿岸漁業整備開発事業費補助
H 農林漁業用揮発油財源身替漁港関連道整備事業費 補助
2 福祉・衛生・保健
(福祉関係)
@ 社会福祉施設等設備整備費補助金
A 社会福祉施設等施設整備費補助金
B 社会福祉施設等設備整備費負担金
C 社会福祉施設等施設整備費負担金
D 保健衛生施設等施設整備費補助金
E 児童保護費等補助金
F 保健衛生施設等施設整備費負担金
(衛生・保健関係)
@ 保健所業務費補助金
A 保健事業費等補助金
B 老人保健事業推進費等補助金
C 在宅福祉事業費補助金
D 市町村保健活動費交付金
E 児童健全育成事業費補助金
F 身体障害者福祉費補助金
G 保健事業費等負担金
H 医療施設等設備整備費補助金
I 医療施設等施設整備費補助金
J 医療関係者養成確保対策費等補助金
K 医療施設運営費等補助金
L 精神保健対策費補助金
3 教育・文化
@ 公立学校施設整備費補助金
A 公立学校施設整備費負担金
B 高等学校産業教育設備整備費負担金
C 学校教育設備整備費等補助金
D 児童生徒急増市町村等公立小中学校規模適正化特 別整備事業費補助金
E 公立社会教育施設整備費補助金
F 社会体育施設整備費補助金
G 国宝重要文化財等保存整備費補助金
★パイロット自治体の申請は内閣総理大臣に対して行います。総理大臣は、地方分権特例制度推進本部の議を経て指定を行います。
推進本部の本部長は総理大臣とし、ここには各省の代表だけでなく地方の代表も参加いたします。さらに民間有識者が推進本部に対して意見を述べることにもなっています。
★計画は精緻なものでなくてもよいし、新たに作らなくてもよい。
申請にあたってやたらにこまかい計画を作らされるのはウンザリですが、実施要領では「実施しようとする事務・事業が明らかになる程度の具体性を備えたものであればよく、必ずしも新たに策定することを要しない」と書かれています。
★都道府県の協力、支援は大切
パイロット自治体になろうとするとき、都道府県の協力と支援が大切です。申請にあたっては都道府県との事前協議が必要とされますが、都道府県側が当事者となるような個別案件については、この事前協議がネックとなって申請が遅れることのないように、都道府県側の結論が出ていなくとも申請できることになっています。いずれにせよ、しかし、都道府県の協力が心から望まれます。国も都道府県に制度の円滑実施についての協力要請を行うことになっています。
★いじめを防ぐために、横の連携を密にして、全てオープンにしていくことが必要です。
心配なのは、パイロットに名乗りをあげた自治体が、ほかの案件で各省庁から「いじめ」を受けることです。「江戸の仇を長崎で」とられないよう、自治体間で連絡をとり、交渉経過を全てオープンにしていくことが必要です。
パイロット自治体制度とは新しい自治体づくりの全国コンペと考え、気軽に明るく楽しくやりたいものです。
★ 困ったことがあったら、行革国民会議までご相談下さい。出来るかぎりの応援をいたします。
私どもは、いじめなどの問題は勿論、具体的なことがらについての問い合せについても名前を出さずに総務庁など関係先と協議して、少しでもこの制度が自治体にとって使いやすいようなものになるように努力していきたいと思っています。
(社)行革国民会議について
行革国民会議とは、政治・行政・社会の全ての面でシステム変更を求めていく純粋に民間の組織です。とくに地方分権、規制緩和、民営化などによって簡素で効率的な政府をめざしています。広く議論を興しその盛り上がりで改革の実現をめざします。
代表は磯村英一都立大学名誉教授、常務理事には山同陽一旭リサーチセンター相談役、恒松制治獨協大学学長が就任しています。
事務局 東京都千代田区平河町2ー12ー2
電 話03(3230)1853
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1993年4月20日 2版1刷