新潟市は2003年度に続いて2004年度も、「なじらね新潟市債」を発行する予定。発行額は12億円で、全額を2005年春にオープンする市生涯学習センター・新国際友好会館の建設事業に充てるとのこと。なお、「なじらね」とは新潟の方言で「いかがですか?」という意味。
総務省によると、2004年1月〜3月までのミニ公募債の発行実績は、発行団体が27団体で、発行額は563億890万円となった。2003年度の発行実績は79団体で2681億円。4月〜6月の発行実績は、13団体(共同発行が2団体)で545億2300万円となった。ちなみに、7月〜9月の発行予定は、19団体で762億円。
以下、最近半年間に発行したミニ公募債の一部を紹介する。
鳥取県は2月、「とっとり県民債」を発行した。全国初となる10年債と5年債を5億円ずつ発行。利回りはそれぞれ1.46%、0.54%。鳥取情報ハイウェイ整備事業に充当する。46億円の応募が集まったため、抽選で購入者を決めた。前回に発行したときは、5年債のみ10億円の発行総額に対して77億円の申し込みがあった。また、県は8月にも発行を予定しており、5年債と10年債でそれぞれ10億円分発行する。冷房設置など学校整備事業に充てる予定。
佐賀県は2月、「さが県民債」を発行した。発行総額10億円、5年満期で利回りが0.5%。発売開始後、10分で完売した。2003年に続いて2回目の発行だが、前回は利回り0.3%で、51分で完売した。佐賀城本丸歴史館(仮称)の建設や吉野ヶ里歴史公園整備、県立学校の施設整備などに充てる。購入者を7月25日に開く佐賀城本丸歴史館の内覧会に招待する。
松江市は2月、「松江みらい債」を発行した。発行額は3億円。償還期間は5年間で利回りは0.61%。小学校の校舎建設事業に充てる。市内2銀行で発売して、午前中に完売した。
神奈川・相模原市は2月、「みんな元気さがみはら債」を発行し、即日完売した。総額5億円で、5年満期の利回りは0.61%。保健福祉センター事業や市立小学校の改修などに充てる。
石川県は3月、「ふるさといしかわ債」を発行した。発行額は10億円。償還期間は5年で利回りは0.6%。受付開始から28分で完売した。2003年度に発行した際は1時間17分で完売しており、今回はそれを上回った。県立学校の校舎建て替えや校舎耐震補強に充てる。
長崎県は3月、「ながさき創造県民債」を発行した。発行額は30億円で、償還期間は5年、利回りは0.6%。2005年秋にオープンする歴史文化博物館(仮称)の建設費や県立高校の整備事業に充てる。受け付け開始から1時間で完売した。
千葉・習志野市は3月、「はばたき債」を発行した。発行総額は3億円。償還期間は5年で利回りは0.61%。幼稚園と保育所を一元化し、子育て支援機能を持たせた施設の建設やゴミ清掃車の低公害車への切り替えなどに充てる。22億円の応募があり、抽選で当選者を決めた。
新潟・十日町市は3月、「十日町市げんき債」を発行。発行総額は1億円、償還期間は5年、利回りは0.62%。旧新潟中央銀行十日町支店の土地と建物を購入、改装し、市子育て支援センター「くるる」と市精神障害者地域生活支援センターの整備事業に充てる。
長野市は3月、「ながの市民債」を発行、発行総額5億円が1時間半で完売した。5年満期で利回りは0.72%。小中学校の増改築などに充てる。
兵庫県・尼崎市・洲本市・伊丹市・加古川市・龍野市・宝塚市・川西市・三田市は5月、共同で「兵庫のじぎく債」を発行した。発行額は100億円、5年満期の利回りは0.66%。小・中学校等の学校施設整備事業に充てる。なお、共同発行は、茨城県、水戸市、土浦市、下館市、取手市、牛久市、鹿嶋市も4月に発行している。発行額は30億円、償還期間5年、利回りは0.7%。
滋賀県は5月、「びわこ県民債」を発行。発行総額は10億円で、償還期間は5年。利回りが4月発行の5年物国債(0.697%)より有利な0.7%のため、32億3400万円の応募があった。県立大人間看護学部の施設整備に充てる。なお、当選者の平均年齢は54.1歳。最高は91歳、最低は12歳。
三重・熊野市は5月、「ささゆり熊野市民債」を発行した。発行額は3190万円。5年満期で利回りは0.59%。申し込み総額は4640万円あり、抽選で購入者を決めた。資源ごみを一時的に分別、保管しておく資源化ストックヤードの建設に充てる。
福島県は5月、「うつくしま県民債」を発行した。発行額は30億円。5年満期で利回りは0.7%。県立学校の校舎改築や農業総合研究センター(仮称)の整備などに充てる。
北海道は6月、「はまなす債」を発行した。発行額は100億円。3年満期で利回りは0.34%。一般公共事業費に充当する。購入者には、裏側に北海道遺産をデザインした記念カードを配る。12月には「タンチョウ債」を公募する。
埼玉県は6月、「彩の国みらい債」を発行した。発行額は100億円で、1人(団体)当たり1000万円まで購入できる。償還期間5年間、利回りは0.82%。この公募債の発行は4回目で、今回は道路整備事業などに充てる。
神奈川県は6月、「かながわ県民債」を発行した。発行総額は100億円。7年満期の利回りは1.18%。福祉施設や高校、公園などの身近な公共施設等の整備資金に充てる。なお、12月と2005年2月に各100億円ずつ発行する予定。
大阪市は6月、「みおつくし債」を発行した。総額50億円、償還期間は5年で、利回りは0.62%。都市基盤整備などに充てる。(田中潤)
【関連資料】
総務省:住民参加型ミニ市場公募地方債の発行予定(7月〜9月分)(PDFファイル)
総務省:住民参加型ミニ市場公募地方債の発行予定(4月〜6月分)(PDFファイル)
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