栃木市は2004年度、小中学校の児童会や生徒会から企画(夢)を募り、その夢をかなえる「夢・チャレンジ支援事業」に4校を選んだ。市教委の選考委員会が優れた企画に最高30万円を助成するというもの。児童、保護者、地域が対象の手話劇の公演、花を育てる花アート作品制作、父親の会とのふれあい活動、メダカの住めるビオトープ造りなどが実施される。
そのほかにユニークな取り組みを実施している自治体を紹介する。
広島県は2004年度から、小学5年生以下の児童から夢を公募し、一緒に実現したい著名人との共同作業を行い2年間で夢をかなえる「夢配達人プロジェクト」を始める。選考委員会をつくり初年度に選ぶ夢は7つ。市町村や学校、PTA、地域団体、企業などで実行委員会を組織し、児童と一緒に「夢実現プログラム」を策定する。児童は事前に著名人と手紙やメールを交換したり、学校で共同体験を重ねて、夢をかなえる。青少年育成広島県民会議が事務局を担い、初年度は県が120万円を補助する。
また、県は2003年度から、「ことばの教育県」づくりに取り組んでいる。県内在住の作家、詩人、大学教授、新聞記者、アナウンサーらで構成する「ことばについて考える百人委員会」を2003年6月に設置。「言葉の達人」が教壇に立ち、エッセーや詩などで表現力を直伝している。
東京・千代田区は2004年度から、区内の幼稚園、保育園、こども園、小中学校の計26校園を対象に、芸術家を派遣する「アーティスト・イン・スクール」事業を実施する。2004年度当初予算で200万円を計上。区では文化芸術を通じて、区民に豊かな生活を送ってもらうため、3月に「文化芸術基本条例」を制定している。区は学校側の要望に沿って画家、音楽家、能楽師などの芸術家を派遣し、授業の中で実体験できるプログラムを実施する。
千葉・佐倉市は2003年度から、地域の環境や歴史などを学ぶ「佐倉学」を小中学校全34校の教育に取り入れている。佐倉学は国語、社会、音楽など各教科に取り入れており、2003年度は総合学習の授業で観光で訪れた外国人らに英語で道案内などを実施した。
長野県は2003年10月末、「高校生信州の未来づくり事業」の利用者やグループを募集。高校生が地域貢献活動をするのに、必要な交通費や消耗品費、通信費、施設使用料などを補助するというもの。福祉、森林整備、地域文化の各分野で5万円を限度に補助した。
また、学校側に企画を募って、助成する取り組みもある。
宮城県教委は2003年度、公立小中高の校長から学校活性化のアイデアを募り、採用された提案には小中学校に1校当たり年間100万円、高校に200万円を助成する「学校活性化プロポーザル事業」を9校で実施した。6年間の個別指導計画、学年ごとに英検目標を立てる、地域住民向け教養講座を開講する、3年で不登校生徒をゼロにすることなどを実施。小中学校11校、高校24校から応募があった。
栃木・上三川町は2003年度、独自の学校運営を目指す小中高に補助金(20万円まで)を交付した。7校が事業計画書や経営方針の書類などを提出。町教委5人が審査委員となり、7校の事業計画書や経営方針の書類などの審査、校長との面談で3校に助成を決めた。サタデースクール、英語指導助手の活用などを実施した。
大阪・寝屋川市は2003年度、企画書と支出内訳書を市内全38校に出してもらって、100万円の予算を配分する「ドリームプラン」事業を実施した。大学教授や小中学校の元校長、会社社長など6人が委員を務める学校活性化推進協議会による書類審査で25校に絞ったあと、協議会委員を前にそれぞれのアイデアを発表する場を設定し、22校で実施することとなった。手作りの「鍋給食」をつくったり、デジタルカメラで校外学習の様子を撮影したものを使って新聞製作や、パソコンの組み立て体験などを行った。(田中潤) |