青森・深浦町は6月17日、放課後や土曜日に小学生が過ごす居場所として「レッツ!ふかうら」事業を始めた。文部科学省が進めている事業で、自主的な学習活動のほかに、地域の達人をボランティア講師に招いての特別活動などを行う。
東京・八王子市は6月15日、市立楢原小学校の空き教室に学童保育所を設置する「余裕教室の活用によるのびのび子育て支援計画」が地域再生計画の認定を受けた。学校の余裕教室等を活用した効率的な学童保育所の設置と安全な場所での保育サービスを実施する。
なお、埼玉・川口市は2003年12月、地域再生計画で「行政サービスの民間開放による地域の教育力再生」を提案し、特区の特例や現行法で可能との回答が出た。地域の子ども教室やスポーツクラブを開く学習塾など民間教育機関に学校を有料で貸して、習字、珠算、ピアノ、英会話、スポーツを有料で指導する。また、不登校の児童・生徒を指導する民間の「サポート教室」に公民館を貸し、宿泊体験や職業・ボランティア体験、中学3年生や卒業生への進学指導や補習も行う。これらの教育はすべて有料で、子どもには放課後や休日の居場所、受け皿づくりにもなる。
このほか、学童保育などについての自治体の取り組みを紹介する。
埼玉県は3月、放課後児童クラブの設備や運営方法の基準を定めた独自ガイドラインを作成した。児童クラブによる施設やサービスの格差をならすのが狙い。施設の基準、運営規則、児童の定員などを示しており、児童1人に1.65u(畳1畳分)以上の面積を確保、常時2人以上の指導員を置くなどとしている。
埼玉・草加市は4月から、父母会が運営していた12学童保育と、2004年春に新設された2学童保育を、NPO法人に一括委託した。法人格を持ったNPOが管理運営することで運営の安定化が図れることや、コスト削減が狙い。市は父母会運営の保育室に4割前後の運営費補助をしてきたが、不足分は各父母会がバザーや模擬店で賄ってきた。公営の保育室の保育料が所得に応じて最高で月額8700円に対して、父母会運営の保育室は1万1000円〜1万7000円だったが、NPOに委託して保育料は6000円に統一された。これに伴い市の委託料も2003年度の2倍の1億2700万円となった。
東京・練馬区は2004年度から、民間事業者を活用して、放課後の児童の受け入れ施設3ヵ所を新設した。放課後の小学1〜4年生の児童を受け入れるほか、乳幼児の夜間受け入れ、乳幼児を持つ母親の交流の場を提供する。午後8時〜午後9時まで受け入れ、日曜も開館する。区は各運営主体に補助金を出す。
群馬・富士見村は3月、「施設の設置条例」を制定。4月に、養護学校などに通う心身障害児が放課後を過ごす学童クラブとして、富士見中学校旧テニスコートに心身障害児集団活動施設を整備した。管理運営は村内のNPO法人に委託。総工費は4000万円。
埼玉・岩槻市は4月から、市内にある2つの小学校内の空き教室を利用した学童保育所をオープンした。市から委託された指導員が交代で面倒をみる。平日放課後のほか土曜日も開所し、午後6時まで子供を預かる。
秋田・湯沢市では4月、市の委託を受けて倉内団地住民が学童保育を行う児童クラブ「さくらっ子」を開設した。毎日指導員や児童の保護者など最低2人が常駐し、国などからの補助金を指導員の雇用費に充てる。同団地に住む小学1〜3年までの児童が対象。開設時間は平日が午後2〜6時半。土曜日と夏休み期間などは午前9時〜午後6時半。入会金は2000円。
沖縄・浦添市は2004年度から、低所得の母子・父子家庭へ学童クラブ保育料を助成。低所得層で児童扶養手当受給世帯を対象に、学童クラブ利用の小学生1人に、5000円を限度として半額を助成する。対象予定は80人で、440万円を予算計上した。
愛知・一宮市は4月までに、市内32の小学校区すべてで学童保育施設を設置した。利用料は無料で、全国的にも珍しい障害児向けの学童保育施設も設置している。同市の学童保育の定員は2004年度で1528人だが、10施設で希望者が定員を超過。低学年を優先的に入所させているため、3年生を中心に133人が入所できなかった。「無料だから取りあえず入れておこう」という1年生の保護者がいるため、週に1回しか利用しない児童もいるとのこと。
島根・浜田市は4月から、放課後児童クラブと同額の低料金で保育園の特別保育に児童を預けられるようにする「子育て支援事業」に取り組んでいる。クラブと同様なサービスの特別保育を受けやすくしてクラブ未設置を補う狙いで、料金差額分は市が保育園に補助する。小学校5校で20人の利用を見込む。2004年度一般会計予算案に事業費74万円を計上した。(田中潤) |