農林水産省農村振興局は3月26日、各都道府県知事、全国農業協同組合中央会長、全国農業会議所会長あてに、「市民農園の整備の推進に関する留意事項について」を通知した。この通知は構造改革特区の第2次提案への対応として、2003年度内に「市民農園で生産された農作物の販売が可能な範囲について通知する」としたことを受けてのものである。
この通知はまず、「市民農園における農作物の栽培は、通常、自家消費の用に供するために行われる範囲のものであり」、また「市民農園における農地の利用に関しては、農作物の栽培を開始する段階で営利を目的としないものであることが求められる」との原則を確認したうえで、
市民農園利用者が、予期せず自家消費量を超える農作物を収穫した際等、その余剰農作物について、@近隣所、知人等に配布した際にある程度の謝礼等を受け取ることはもとより、A市民農園への来訪者等向けにテーブル等を置き、若干の対価で販売すること等についても、それが直ちに営利目的とはいえない
と記している。
しかし、
どのような販売行為が営利目的に該当するかについては、栽培の目的や販売行為の外形等を総合的に判断する必要があるため、判断に疑義のある場合には、お近くの地方農政局農村振興課にご照会いただきたい
と、結局のところ、農水省に相談しなければ具体的なことは分からないままである。これでは約束が違うのではないか。
たかだか市民農園の規模で販売したところで、大した額になるわけではない。こうしたせっかくのやる気のある人々を閉め出すよりも、少しでも門戸を広げて、農業に関心を持ってもらうほうが余程いいのではないかと思うのだが…。(田中潤) |