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長野県 特許コンシェルジュ増員

2004/04/12

 長野県は4月、「特許コンシェルジュ(案内人)」の追加募集を始めた。企業や研究所で10年以上特許や技術移転を専門に担当した経験や、弁理士、中小企業診断士の資格を持つ専門家が特許手続きなどの相談に応じて、助言するというもの。県は2003年度から特許コンシェルジュを募集、初年度は8人で、47社61件の助言業務を実施した。無料で助言を受けられるため、企業からの派遣要請が増加。県は人員を増員して態勢を強化する。2004年度は70社、100回の訪問が目標。特許コンシェルジュには訪問1回当たり1万5750円を支払う。

 そのほか特許についての支援は、東京都などが積極的に実施している。

 東京都は2003年4月、「知的財産活用本部」を創設し、中小企業の特許戦略拠点として「知的財産総合センター」を開いた。知的財産権に関する実務経験のある相談員が特許活用や中国など海外での模倣品被害といった相談に応じるというもの。企業で知的財産部門を経験した相談員3人と弁護士、弁理士、技術士の計6人が毎日相談に応じている。都によると、「知的財産総合センター」における中小企業からの相談件数は、2003年4月から1月末までで2066件に達したとのこと。
 2003年7月には、外国特許取得費用を補助する制度を新設。補助対象となるのは、2003年4月から2004年1月までの間に支払った特許出願手数料や弁理士費用などの経費で、助成率は総額の半額で上限は1件につき300万円。
 さらに、東京都は2月から、「知的財産総合センター」で、中小企業による知的財産の活用を支援するため、弁護士や弁理士らが企業の特許出願、技術提携などの契約書作成、権利侵害をめぐる訴訟の対応などを具体的に助言する事業に乗り出した。「知的財産総合センター」の相談段階までは無料だが、その後の費用は企業が負担する。

 石川県は2004年度、県産業創出支援機構(ISICO)を通じて専門家に特許に関する相談を依頼した企業を対象に、中小企業の特許取得や利用、報奨金制度見直しに対する助成制度を創設する。相談料の3分の2を国が補助し、県は残りの半額を助成、企業側の負担は6分の1となる。2004年度当初予算案に事業費360万円が計上された。さらに、ISICOに知的財産の専門家を配置し、企業の研究開発を支える。(田中潤)