群馬・富岡市、妙義町、下仁田町、南牧村、甘楽町は2004年度から、5市町村すべての小中学校で夏休みを5日間短縮して37日間とし、その5日間を授業や水泳大会、地域住民との交流行事などに充てる。各市町村教委は学校規則管理を改正して、2004〜2006年度を試行期間として実施する。2002年度から実施している学校週5日制により、十分な授業時間が確保できなくなったことを受けての措置。同県の県立高校では2004年度から、全日制67校のうち38校が夏休み、冬休みを最大5日間短縮するとのこと。
東京・葛飾区は2月、2005年度から区立中学の夏期休暇期間を10日間程度短縮することを決めた。その10日間は通常の授業を行い、学校週5日制で削減された学校行事を復活させる。同区は2002年度から、完全学校週5日制の実施を受けて、夏期休暇期間中に希望制で5日間程度、夏季学習教室を実施。学習の定着が不十分な生徒を中心に、1〜2時間を国語、数学、英語の補習に充てた。2005年度からの夏休み短縮の試行として、2004年度からは補習の授業の対象を全生徒とし、教科も理科、社会まで拡大して10日以上実施する。同区では、学校週5日制により授業時間数を確保するため、伝統的に続いていた合唱コンクールをとりやめた中学校もあったとのこと。
このように、夏休みを短縮するほかに、授業時間を延長する学校もある。
東京・世田谷区は2004年度から、区立中学校31校全部に、授業時間を現在の50分から一律52分に延長する。50分授業に換算して年間で39時間分、授業時間を確保できるとのこと。始業を5分早め、授業間の休み時間を10分間から8分間にする。1998年改定の学習指導要領により、授業の単位時間は各学校が弾力的に運用できるようになった。
さいたま市の市立浦和南高校は2003年度から、52分授業を全国で初めて実施。1日6時限、週30時限で2分ずつ延長して、年間(35週)で2100分を捻出した。この影響だけとはいえないものの、3月18日時点で、3年生355人の82%に当たる292人が4年制大学に現役合格しており、2003年度の216人を超えている。県教委によると2003年度、県立高校4校が90分、11校が65分、1校が70分授業を実施しているが、市立浦和南高校のように総枠は変えず、授業時間を確保する例は珍しいとのこと。
授業時間を確保するために、2学期制を導入する学校は多いが、茨城・総和町は2月、2004年度から小学校の3学期制を廃止して、全国初となる通年制の導入を決めた。だが、保護者や議会からは「説明が不十分」「時期尚早」などの批判が相次ぎ、2004年度からの実施見送りを決めた。当初は、通年制により始業・終業式などを簡素にして年間20時間増やし、国語と算数の補習に充てる予定だった。2005年度以降の実施については改めて検討する。(田中潤)
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