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ホームページに有料広告を掲載する自治体増

2004/03/15

 北海道・室蘭市は2004年度から、市のホームページ(HP)に民間企業などの有料広告を掲載する予定。広告はトップページに6本掲載、各企業などのHPにリンクする。料金は月額1万円前後、年間収入は最高で80万円程度となる。原則として市内に事業所を持つ企業が対象だが、消費者金融や風俗関係などは除く。HPは1ヵ月のアクセスが2万件程度となっている。

 千葉・流山市は4月から、市HPのバナー広告を始める予定。最大で8枠を募集。掲載料は1枠月2万円で、すべての広告が取れれば年間で192万円の収入となる。市HPは1日約1000件、年間約30万件のアクセスがある。

 埼玉・戸田市は5月から、市HPに有料広告を掲載する予定。広告枠はトップページの6区画。1ヵ月単位の掲載が可能で、最大3ヵ月まで延長できる。料金は1ヵ月で1区画1万円。市内業者を優先的に掲載するが、品位を損なうおそれのある広告や風営法の規制対象業者、政治、宗教活動の紹介や意見広告などは受け付けない。同市のHPは2000年3月の開設以降、通算で23万件のアクセスがある。

 神奈川・大和市は2月、市HPの広告掲載料金を電子地域通貨「LOVES(ラブス)」で支払ってもらうことを決めた。利用が進まない地域通貨の流通促進を図るのが狙い。同市は2002年4月から、地域通貨ラブスを始めたが、ラブスのやり取り件数は、2002年4月〜12月で478件、2003年の同期で601件。流通量は2003年4月から12月で約78万ラブと低迷している。トップページの掲載料は月5万ラブで、手持ちのラブが少ない商店には市が100万ラブほどの原資を用意する。市HPは月350万件のアクセスがある。

 東京・八王子市は2002年10月から、市HPにバナー広告を掲載している。広告料は、トップページが1枠あたり1ヵ月3万円、その他のページが1枠あたり1ヵ月2万円となっている。2002年10月〜2003年3月までは9社、2003年4月〜9月までは12社、2003年10月〜2004年3月までは8社を掲載している。

 そのほか、封筒に広告を掲載する自治体もある。

 横浜市港南区は2月から、窓口封筒に広告を掲載している。広告代理店に委託して、封筒代や印刷代は代理店に負担してもらい、年間約36万円の経費節減を見込む。転入者に渡す資料を入れる封筒(角2、年間約1万枚)と、住民票などの証明書類を入れる封筒(角6、同約9万枚)の2種類。タクシー会社や不動産業者、歯科医院などの広告が掲載されている。東京・葛飾区や中野区、府中市などでも採用されている。

 埼玉・久喜市は2004年度から、住民票などの各種証明書類を入れる持ち帰り用封筒に有料広告を募集する。企業広告は6社分で、広告料は1社4万円。年間の封筒必要量は3万9000枚で、印刷などの経費は24万円かかる。政治、宗教、風俗営業、選挙に関係するものや意見広告、名刺広告など「公序良俗に反するもの」は除く。志木市、八王子市、船橋市、太田市などでも実施している。

 また、佐賀・鳥栖市は12月、構造改革特区第4次募集で「道路広告特区構想」を提案。歩道路面を使い、高齢者や障害者、外国人などの歩行者のため「段差に注意」などの案内を日本語と英語で表記し、一部分に企業名の広告を入れ、その広告収入を道路整備や不法広告物除去、町並みの美化、交通環境に充てるというもの。路面は広告媒体として活用できないとする道路法の占用許可基準の緩和を求めたが、国交省は「路面そのものへの広告の表示は」「通行上の危険を生ずるおそれがあ」り「適当ではないものと考えるが」、屋外広告物部局や所轄警察署等の「関係機関と調整のうえご判断いただきたい」として、「D-1」(現行の規定により可能)と分類した。(田中潤)


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