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福島県は1月14日、2月議会に提案する予定の「暴走族根絶条例」(仮称)の骨子を明らかにした。@暴走族への勧誘や脱退妨害(懲役6ヵ月以下または罰金50万円以下)A暴走を容認する見返りに暴走族から金品を受け取る面倒見(同)B午後10時から午前6時までの間、公道上などでの爆音走行C空吹かし(罰金20万円以下)、暴走行為を助長するあおり行為(罰金10万円以下)などを禁止するというもの。Aについては、暴走族から上納金を集める暴力団の資金源を絶つのが狙い。Bについては、「迷惑行為等防止条例」で道路外では規制されているが、道路に逃げられると規制できないという問題があった。 佐賀県も2月議会で「暴走族等の追放の促進に関する条例」を改正する予定。暴走行為の強要や勧誘、急発進や空吹かし、暴走族の結成や加入の強要、会費や面倒見代、紛争解決の手段などの金品授受などを罰則に盛り込む。 神奈川県は2003年12月、「暴走族等の追放の促進に関する条例」を制定した。暴走族への勧誘、脱退の妨害、面倒見などについて、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金を科す。車台番号を削るなどした二輪車の運行の禁止や、凶器携帯の禁止条項も盛り込み、走行前でも摘発できるようにした。あおり行為についてはローリング族やドリフト族も取り締まりの対象とし、設定した重点地区では、警官の中止命令に違反した場合5万円以下の罰金を科す。 北海道は2003年8月、「暴走族の根絶等に関する条例」を制定した。道交法で取り締まれない道路外での、暴走行為や空吹かしなどを禁止し、違反者には拘留または5万円以下の罰金。暴走族への勧誘も禁止し、違反者には6ヵ月以下の懲役、または20万円以下の罰金とした。 同年10月には、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」を改正。「危険器具(凶器)による粗暴行為に対する規制」を設けて「凶器を持った威圧行為」を禁止した。 なお同年7月、積雪で暴走行為ができない冬場に、特攻服を着て、集団で「声出し」などの威圧行為を行う「徒歩暴走族」に対して、道警少年課や補導員らが「家庭訪問作戦」を始めたところ、60人以上が辞めると約束したことが明らかになっている。 暴走族をターゲットにした条例は全国20道府県で制定。そのうち16道府県(北海道、宮城県、茨城県、群馬県、栃木県、千葉県、神奈川県、静岡県、愛知県、京都府、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、鹿児島県)で罰則が設けられている。 このように暴走族対策の条例を制定することで、暴走族の取り締まり件数も減少している。警察庁は1月5日、「年末年始における初日の出暴走の取締結果について」を公表。110番通報件数は2004年度が1393件(2003年度:1545件)、検挙人員は2004年度が904人(2003年度:984人)となり、いずれも前年度を下回った。(田中潤) |