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福島県は1月20日までに、「青少年健全育成条例」を改正する方針を決めた。 ・インターネットカフェや図書館、公民館、小中高校などで、青少年がアダルトや暴力、出会い系などインターネット上の有害サイトを閲覧できない環境整備を求め、接続を規制するフィルタリング(情報選別)ソフトの活用などを提示する。 ・保護者に対する努力規定やプロバイダー(接続業者)などの発信業者に対する自主的努力も検討する。 ・自動販売機での有害図書やビデオなどの販売については、罰則を現行の「20万円以下の罰金」から「6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金」へ、18歳未満へのみだらな行為については、現行の「6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金」から「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」へ強化する。 ・有害図書類の陳列については、「高さ1.5m以上に置く」「棚を一般図書から60cm以上離す」など6つの方法を規則で示し、1つを実行するよう義務付ける。 なお、ほかの自治体でインターネットの規定を設けているのは、福岡県「青少年健全育成条例」(1997年3月改正)、鳥取県「青少年健全育成条例」(2001年12月改正)、大阪府「青少年健全育成条例」(2003年3月改正)、奈良県「青少年の健全育成に関する条例」(2003年3月改正)の4府県。 自動販売機での懲役刑を設けているのは、石川県「青少年健全育成条例」(2001年9月改正)、広島県「青少年健全育成条例」(2003年10月改正)。広島県の場合は、撤去しても別の自販機で営業するケースを想定して、「常態者」にも罰則を設けた。 東京都も2月、「青少年健全育成条例」改正案を提出する予定。 ・18歳未満の未成年を対象に、深夜(午後11時〜午前4時)の立ち入りを禁止している施設に、現行の野球場や映画館などの興行場、ボウリング場、スケート場、水泳施設に加えて、カラオケボックスや漫画喫茶、インターネットカフェを追加指定し、違反した経営者は30万円以下の罰金とする。 ・出版社に対して、18歳未満禁止の成人向け図書を包装して出荷するよう自主規制を要望、都が「不健全図書」に指定した場合は販売店が包装するよう義務化する。 ・図書の自販機には免許証などによる年齢識別装置の設置を義務付ける。 ・大人が深夜、正当な理由なく親の承諾なしに小中学生(16歳未満)を連れ歩くことを禁止し、違反には罰金などの罰則を科す。親にも深夜、小中学生を外出させない努力義務を盛り込む。 ・万引き対策として、業者が親の同意なしに青少年から古物を買い取ることを禁止し、「古物」には、ブルセラショップ対策として、制服や下着など青少年の使用済み品全般を対象とする。 ただし、有害な描写が一定割合含まれれば自動的に不健全図書に指定できる「包括指定」や、インターネット上のわいせつな動画や画像の規制、風俗産業などへの「スカウト」行為、「生(なま)セラ」と呼ばれる少女から直接下着を買い取る行為への規制については見送りとなった。 横浜市は2003年11月の八都県市首脳会議(首都圏サミット)で、青少年の深夜外出に保護者への罰則規定を都県条例に盛り込むよう提案した。首都圏4都県では、東京都を除く千葉県、埼玉県、神奈川県の条例で青少年の深夜外出を制限する規定があるが、努力規定で罰則はない。 秋田県は2003年10月、「青少年の健全育成と環境浄化に関する条例」を改正。「有害図書類」の指定方式を、毎月決まった冊数を審査して「有害」指定する個別指定方式から性描写のページ数などに基準を設定、性描写などが20ページ以上あるいは総ページ数の5分の1以上であるものを自動的に有害図書として指定する包括指定方式に変更した。2003年4月時点で、都道府県で包括指定方式を導入していないは、東京都と秋田県、青少年条例を制定していない長野県となっていた。(田中潤) |