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市町村合併:12月実施の住民投票は全13件(「賛成」8件、「反対」5件)

2004/01/05

 鳥取・会見町は12月28日、米子市との法定協設置の是非を問う住民投票を実施した(投票率77.20%)。その結果、「賛成」が963票、「反対」が1595票となり、現在法定協を設置している西伯町との合併に向けて進むこととなった。

 この会見町で実施された住民投票が2003年に実施されたものの最後となった。12月に実施された住民投票は全13件。合併の賛否を問うものが9件、法定協設置の是非を問うものが2件、賛否を含めて枠組みまで問うものが2件あった。そのうち、合併に「賛成」が8件(枠組みも含む)、「反対」が5件。
 ちなみに、1月1日付の朝日新聞によると、「2003年にあった住民投票は116件」とのこと。2002年は1年間で7件だったのを考慮すると、2003年は全国各地で合併論議が盛り上がったということだろう。

 以下、12月に実施された住民投票を紹介する。

【12月7日実施】
 栃木・日光市は、合併の賛否と枠組みを問う住民投票を実施(投票率70.17%)。「日光市・今市市・足尾町・藤原町・栗山村での合併」が6590票、「日光市単独」が3237票、「日光市・足尾町での合併」が291票となり、22日には日光地区法定協に加入した。

 長野・下諏訪町と富士見町は、それぞれ諏訪地域6市町村任意協(岡谷市、諏訪市、茅野市、下諏訪町、富士見町、原村)での合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率55.51%、67.22%)。下諏訪町では「賛成」、富士見町では「反対」が多数となり、24日には富士見町が同任意協から離脱した。なお、7日実施の住民アンケートの結果、「反対」が多数となった原村も24日に離脱。下諏訪町は残った4市町での合併を進める方針だが、2004年1月に予定されている茅野市での住民アンケートの結果次第となっている。

 島根・平田市と斐川町は、それぞれが参加している出雲地区法定協(出雲市、平田市、斐川町、佐田町、多伎町、湖陵町、大社町)での合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率68.86%、71.45%)。平田市では「賛成」、斐川町では「反対」が多数を占め、15日には斐川町が同法定協から離脱し、単独自立の方針を表明した。同法定協は31日に解散。斐川町を除く6市町は2004年2月に、新たに法定協を設置する予定。

【12月14日実施】
 群馬・富士見村は、合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率74.27%)。前橋広域市町村法定協(前橋市、大胡町、宮城村、粕川村)との合併に「賛成」8141票、「反対」4787票となり、2004年1月に前橋市と別の法定協を設置し、後に合流する模様。この法定協では編入合併や新市の名称など4市町村の協議結果をほぼ追認する。新市建設計画や議会定数などについては新たな協議を行う。事務日程の関係で4市町村の合併には間に合わないが、合併特例法の期限である2005年3月末までに合併議決を行い、財政優遇の特例を受ける経過措置が講じられることを前提として、2005年夏を軸に調整される見込み。同村では、合併反対の前村長がリコールされ、その後に合併に慎重な新市長が誕生、7月の住民アンケートでは「賛成」51%、「反対」17%、「慎重」24%と「賛成」が上回ったが、村側と4市町村側との意見がまとまらず、法定協参加には至らなかった。今回の住民投票条例には、「村民、村議会と村長は、住民投票における有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重しなければならない」と盛り込まれており、村の将来を決める最終判断材料となった。

 高知・大正町は、大正町、窪川町、十和村との法定協設置の是非を問う住民投票を実施(投票率85.09%)。「賛成」が1127票となり、「反対」1114票を13票上回る結果となった。合併特例法に基づいて、投票結果は大正町議会が法定協設置を可決したものと同じとみなされる。

 鹿児島・桜島町は、合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率82.24%)。鹿児島地区法定協(鹿児島市、吉田町、桜島町、喜入町、松元町、郡山町)での合併に「賛成」が多数となり、同法定協での合併を進めることを表明した。なお、喜入町は24日、住民アンケートの結果、「反対」が6割を占めたことを受けて、法定協から離脱手続きに入る意向を正式に表明した。

 兵庫・三日月町は、佐用郡法定協(佐用町、上月町、南光町、三日月町)での合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率82.63%)。その結果、「合併しない」が「合併する」を上回り、24日に同法定協からの離脱を申し入れた。なお、南光町は11月に住民投票を実施し、「合併する」が多数を占め、正反対の結果となった。

【12月21日実施】
 福島・飯舘村は、合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率68.22%)。任意協を構成する原町市、鹿島町との合併に、「賛成」が47.3%、「反対」が52.7%となった。村、村議会は賛否判断の基準をおおむね6割としており、いずれも基準に達しなかったので、最終判断は執行部や議会による協議に持ち越され、2004年1月に合併の方針を決める模様。

 三重・紀伊長島町は、市町村合併の賛否を問う住民投票を実施(投票率61.53%)。合併に「賛成」3076票、「反対」2392票となり、「賛成」が多数を占めた。町長は単独自立の方針を示していたが、住民投票条例では投票結果を尊重することとなっている。

 岡山・金光町は、合併の賛否と枠組みを問う住民投票を実施(投票率55.79%)。「合併する」が多数を占め、そのうち、「浅口地域(船穂町、金光町、鴨方町、寄島町、里庄町)と」が2186票、「倉敷地域(倉敷市、船穂町、真備町、早島町、金光町)と」が2088票となった。町長は2004年1月に方向性を打ち出すとしている。(田中潤)