記事一覧に戻る TOPに戻る 


滝沢村、課長級職員を全職員の投票で選任

2003/12/04

 岩手・滝沢村は1月、2003年度末で定年退職となる課長級2人分を対象に、全職員が投票で選任する制度を実施する。職員が候補者名簿の中から定数分の人数を選び、順位を付けて投票、累積ポイントを参考にして村長ら5人が課長を選考する仕組み。投票結果は公表しないが、選考結果と異なる場合には、理由を職員に公表しなければならない。高卒で経験年数18年以上、大卒で14年以上の職員に「被選挙権」を与える。職員315中122人がその資格を持つ。総務省によると、職員の投票による人事決定は聞いたことがないとのこと。

 そのほか、職員の人事について、独自の制度を取り入れている自治体を紹介する。

 東京・江戸川区は3月、「チャレンジスタッフ制度」の公開プレゼンテーションを実施した。現在所属している業務の改善だけでなく、全庁的な業務改善や新しいサービスを提案し、自分の提案を実現できる部署に移動できるというもの。

 茨城・牛久市は4月、職員自らが移動希望先を選べる「フリーエージェント制度」を導入した。FA宣言できるのは、在課年数が5年以上の副主査と主査。移動希望先や志望動機などを宣誓書に記入して人事担当部長に提出。同部長と希望先の担当部長が協議して、異動の決定を下す仕組み。残留宣言者は次年度の宣言の権利がなくなるとしている。

 東京・千代田区は4月、各部長に人事権を移譲する「ドラフト制度」を試行した。事業部間移動の対象となる係長級事務職員50人が対象。各部長は名簿を見て希望職員をリストアップ。その結果を職員課がまとめて調整し、移動を決めた。

 埼玉・志木市は4月、7部の部長に人事権を付与する制度を導入した。臨時職員が必要な際、通常の職員移動のほかに、各部長が課の枠を超えて部内で職員の配置換えができる。

 岩手県は8月、特定の職場に一時的に業務が集中する場合、他課からの人的応援を柔軟に行える制度を始めた。人手が欲しい課が募集し、時間的に余裕がある職員が自主的に応募する。週2日8時間(1日あたり4時間)など多様な勤務形態が可能で、応援期間も限定しない。

 京都市は2004年4月から、あらかじめ各局・区に職員数を枠配分したうえで、業務の実情に詳しい各局・区長が課・係ごとの人数割りを決める方針。ただし、各課・係にどの職員を配置するかは従来どおり市長の権限とする。政令市では名古屋市に続き2番目の取り組み。(田中潤)