東京・清瀬市は10月24日、市内の市立中学校全5校を選択制にすることを正式に決め、2004年度の中学校進学予定者に通知した。市内全域から選ぶことが可能。自転車通学はできないが、バスなどの交通機関は利用できる。各学年定員の30〜40%を他学区からの受け入れ枠とし、上限を超えた場合は抽選とする。入学以降の学校の変更はできない。ちなみに、小学校への導入については、「交通機関が市内を網羅しておらず、体力、安全の点から不適当」として見送った。
栃木・鹿沼市は10月20日までに、全小中学校区で「学校選択制度」を導入する方針を固めた。導入時期や形態など具体的な内容については、これから検討していくとのこと。
このように学校選択制度を導入する自治体は増加傾向にある。共同通信社のまとめによると、4月20日、2003年度に学校選択制度を実施した自治体は30市区町となり、2002年度の12市区町を大きく上回ったことが明らかとなった。
三重・紀宝町が1998年度に、東京・品川区、岐阜・穂積町が2000年度に、東京・豊島区、日野市が2001年度に導入。
2002年度は導入自治体が増加。東京・足立区、江東区、杉並区、墨田区、荒川区、広島・熊野町、福岡・穂波町の7市区町が導入した。
2003年度の導入自治体は、群馬・群馬町、埼玉・川口市、鳩ケ谷市、宮代町、東京・千代田区、港区、文京区、台東区、目黒区、葛飾区、江戸川区、多摩市、西日本市、千葉・鎌ケ谷市、静岡・浜北市、滋賀・大津市、香川・善通寺市、大分・豊後高田市の18市区町と大幅に増加した。
選択制の形態として、域内全校の中から選べるケースが多いが、域内を複数の自治体に分けたり、隣接する学区内にのみ範囲を限定する自治体もある。
2004年度に学校選択制度を導入する予定の自治体は、冒頭に記した清瀬市のほか、前橋市、埼玉・北本市、千葉・松戸市、浦安市、東京・中央区、渋谷区、八王子市、町田市、広島・千代田町など。
京都・向日市は9月、2004年度から市立の小中学校で受け入れ人数を限って、新入生が入学した学校を選択できる制度を導入することを決めた。各校とも入学予定数の1割を受け入れ、希望者数が超えた場合には抽選で決める。同市は2002年度から、同一小学校から中学進学時に一部の児童が別の校区となる地域に限り、児童に進学先の選択権を与えたり、特定の部活の入部希望者に限り校区外の入学を許可している。
松山市は9月、2004年度から市立小学校に通う新1年生に学校選択制を適用した上で、その兄姉にも同制度を認めることを決めた。
栃木・小山市は8月、2004年度から隣接する学区外の中学を選べる「隣接校希望選択制」を導入することを決めた。徒歩か自転車による通学を3年間続けられることが条件。他学区からの入学には受け入れ枠を設ける。3学年で19学級以上の大規模校は15人、12〜18学級の標準規模校は25人、11学級以下の小規模校は35人となる。枠を超えた場合は抽選を行う。
2005年度に導入予定の自治体は、北海道・岩見沢市、埼玉・川口市、東京・練馬区など。
北海道・江別市は9月、2005年度の小中学校の新入生から希望すれば各校に設定された枠内で他学区の学校に通える学校選択性を導入する方針を決めた。枠を上回った場合は抽選となり、通学は徒歩か公共交通機関利用が原則。特に希望のない場合は従来の学区の学校に進学する。(田中潤) |