9月に実施された住民投票は8件となった。合併自体の是非を問うものが2件、法定協設置の是非を問うものが3件、議会解散の是非を問うものが1件、合併の枠組みを問うものが1件、合併の是非と枠組みの両方を問うものが1件。なお、8月に実施された住民投票は10件、6〜7月が16件で、実施数はそれほど変わっていない。
群馬・藪塚本町は9月28日、合併の枠組みを問う住民投票を実施(投票率65.80%)。「桐生市、太田市、尾島町及び新田町と合併に賛成」が8188票、「笠懸町及び大間々町と合併に賛成」が1322票となった。この結果を踏まえ、同町は29日、市長が桐生市、太田市、尾島町、新田町の法定協への参加を表明、議会も了承した。なお、笠懸町、大間々町、勢多東村も参加を申し入れており、10月16日からオブザーバー参加する新里村、黒保根村を含む10市町村の大同合併の可能性も出てきた。
山梨・武川村は9月28日、合併の枠組みとその是非を問う住民投票を実施した(投票率86.76%)。「峡北7町村で合併」が1351票、「韮崎市と合併」が928票、「合併には反対」が117票となり、すでに法定協に参加している峡北地域7町村(長坂町、高根町、白州町、須玉町、明野村、大泉村、武川村)での合併を推進していく意向を示した。
岐阜・平田町は9月28日、西濃地域9市町(大垣市、養老町、上石津町、垂井町、神戸町、安八町、墨俣町、輪之内町、池田町)との法定協設置の是非を問う住民投票を実施(投票率84.84%)。「大垣市などとの広域合併に賛成」が2237票、「大垣市などとの広域合併に反対」が3331票となり、町が進めてきた海津郡3町(平田町、南濃町、海津町)での合併が認められた格好。
山梨・秋山村は9月21日、都留市、秋山村、道志村、西桂町での法定協設置の是非を問う住民投票を実施(住民投票81.04%)。「賛成」が768票、「反対」が707票となった。同村はすでに上野原町と法定協を設置しており、住民投票によって2つの法定協に所属することとなる。総務省によれば、全国27市町村が複数の法定協に参加している。また、同村は3月議会で、4市町村での合併議案を否決しており、今回の住民投票で、合併をめぐって議会と民意のねじれが明らかになった。
新潟・両津市は9月14日、同市を含む佐渡の全10市町村(両津市、相川町、佐和田町、金井町、新穂村、畑野町、真野町、小木町、羽茂町、赤泊村)での合併推進派が多数を占める市議会解散の賛否を問う住民投票を実施した(投票率65.07%)。「解散に賛成」が3224票、「解散に反対」が5852票となり、市議会解散は不成立となった。同市では11月23日に、任期満了に伴う市議選と市長選の同日選挙が実施される予定。
新潟・六日町と大和町は9月14日、2町合併の是非を問う住民投票をそれぞれ実施(六日町の投票率60.14%、大和町の投票率67.46%)。六日町では「大和町との合併に賛成」が9578票、「大和町との合併に反対」が3998票、大和町では「六日町との合併に賛成」が4410票、「六日町との合併に反対」が3280票となり、両町は10月1日、法定協を設置した。今回の住民投票は、8月10日の住民投票で「合併反対」が多数を占めた塩沢町が、3町の任意協から離脱、それを受けて残る2町による法定協設置の是非を問うこととなった。
沖縄・西原町は9月14日、宜野湾市、西原町、中城村の3町による法定協設置の是非を問う住民投票を実施したが、投票率が30.194%で、投票成立要件を50%以上とした町条例の規定を大きく下回って不成立となり、開票されなかった。同町は3市町村での任意協から離脱し、同任意協は解散となる。宜野湾市が実施していた住民アンケートも15日までに集約されたが、回収率はわずか1.6%。市民の合併に対する関心の低さが明らかとなった。(田中潤) |