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小出町、「ふるさとまちづくり条例」いったん可決後、廃案

2003/07/23

 新潟・小出町では7月18日、町長が再議に付した「ふるさとまちづくり条例」案が臨時議会で否決、廃案となった。

 この条例案は、町への大型店進出を事実上規制するもので、議員発議として提出された。町内での大規模な開発行為を行う事業者に対して、町民との事前公開、地元商工会との説明会の開催、事前協議などを義務付けるというもの。また、町は公聴会を開催したり、条例に従わない開発事業者の氏名を公表することもできる。

 そもそもこの条例は、7月10日の6月定例会本会議でいったん可決されていた。
 ところが、「すでに建設計画を進めているものもあり後追い条例になる」「業者に規制を課すのは財産権の制約となる」「6町村(堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村)での合併を2004年11月に予定しており、小出町だけが単独で規制を行うべきではない」「8月1日施行となっており、関連規則の制定など準備期間が足りない」などの理由で、町長が再議に付すことを決めた。
 7月18日の臨時議会では、同条例案が再審議され、採決の結果、賛成13、反対7となり、再議決に必要な3分の2(14人)に届かず、否決・廃案となった。

 兵庫・尼崎市でも、大型店出店規制の指針づくりに動いている。同市では、工場跡地に大型スーパーなど商業施設の進出が相次いでおり、交通渋滞や騒音などを引き起こす無理な開発に歯止めをかけることが目的。行政や学識経験者、地元企業、住民でつくる「尼崎市商業立地ガイドライン検討委員会」で基準をまとめ、2004年3月の条例化を目指す。

 福島県では7月18日、広域的な都市計画や商業機能の適正配置の観点から、大型店の出店そのものを管理する独自の規制策を検討することが明らかとなった。7月末から学識経験者や商業者、自治体首長ら9人の「県広域まちづくり検討会」を開き、規制のメリット・デメリット、法的可能性、規制する場合の具体的な基準などを検討する。

 2000年6月の大規模小売店舗立地法(大店立地法)施行の前後には、大型店の出店に対して、条例や要綱など自治体による独自規制の動きが相次いだが、最近は不況で大型店の撤退も目立っており、このような大型店の出店を規制する動きは少なくなっている。

 逆に、栃木県は7月14日までに、構造改革特区の2次申請で「宇都宮にぎわい特区」を申請した。これは、大店立地法の規制を大幅に緩和して、市中心部での大型店出店手続きなどを簡素化できるというもの。市街地を活性化させることが目的。同市では、大型店の撤退が相次ぎ、空洞化が深刻な問題となっている。(田中潤)