広島市では7月4日の市議会で、市中心部の歩行喫煙を罰則付きで禁止する「ぽい捨て等の防止に関する条例」案が可決された。科料は2万円以下。条例は10月1日に施行。罰則の適用開始は原案では11月1日となっていたが、議会では「周知期間が必要だ」との理由で2004年1月1日に修正した。
指定禁止区域は9月中に市長が告示する予定。JR広島駅周辺や平和記念公園、デパートなどが集まる中区八丁堀周辺などを検討している。
東京・千代田区で2002年6月に、全国初となる路上での喫煙などを罰則付きで禁止する条例が制定されて以来、同じような条例を制定する動きが全国的に広がってきた。千代田区以下、路上禁煙関連条例を制定した自治体を紹介する。
千代田区では2002年6月、「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」を制定、2002年10月から施行された。2002年11月から路上喫煙者に罰金を徴収している。当初は科料として最高額の2万円を課す予定だったが、当分の間は「実効性」を優先させるということで、2000円を徴収している。
千代田区は4月に条例施行の半年間の成果をまとめた。2002年11月から3月までの5カ月間で2564人が徴収され、そのうち7割が現金払い。ポイ捨ての吸い殻は条例施行前の1割に減ったが、禁止指定地域以外では、依然として目立つとのこと。
また千代田区は、東京駅の丸の内口や八重洲口なども新たに路上禁煙地区に指定することを検討している。
福岡市では2002年12月、「人に優しく安全で快適なまち福岡をつくる条例」を制定。2003年8月に施行、10月に路上禁煙を適用する。路上喫煙者に対しては2万円以下の科料を課すこととなっているが、科料については当面は見送られることとなった。
東京・杉並区では3月、「生活安全及び環境美化に関する条例」を制定、10月から施行する。科料は2万円以下となっているが、こちらも当面は見送るとのこと。
富山市では3月、「まちの環境美化条例」を制定、7月から施行している。2万円以下の科料を課すこととなっているが、禁煙地区指定が必要かどうかは、まちの環境美化推進連絡協議会で協議して検討していくとのこと。
東京・小金井市では3月、「まちをきれいにする条例の一部を改正する条例」を制定、2004年1月からの施行を予定している。路上喫煙者には2000円の科料を課す。
品川区では3月、「歩行喫煙および吸い殻・空き缶等の投げ捨ての防止に関する条例」を制定、10月に施行する。科料は1万円以下だが、当面は1000円とする。
ちなみに、栃木・日光市(「環境美化都市に関する条例」)のように、罰則規定はないが路上喫煙を禁止している自治体もある。
さらに、東京・新宿区(「空き缶・吸い殻等の散乱防止に関する条例」)のように、たばこのポイ捨てに罰則を設けている自治体もある。(田中潤) |