6月9日付埼玉新聞によれば、越谷市は、市立病院で紹介状を持たずに初診を受けた患者に対して、初診料とは別に1500円を徴収する初診特定療養費制度を10月から導入する予定とのこと。6月議会で「越谷市立病院の診療費等に関する条例の一部を改正する条例」議案を提出する。
初診特定療養費制度とは、1996年の診療報酬改定で、入院ベッドが200床以上ある病院に紹介状なしで受診した患者に対して、初診料に加えて別途料金を徴収できるというもの。
越谷市立病院ではそれまで、紹介状を持たずに受診した患者に対して初診料のみ徴収しており、紹介状経由の患者との不公平感を解消するのが目的。
病院を紹介してもらう際、患者は紹介してくれた医療機関に対して「診療情報提供料」を支払う。さらに、その患者は紹介を受けた病院に、「紹介患者加算料」を加算した初診料を支払う(紹介患者加算料は保険の対象となる)。なお、この紹介患者加算料は紹介状持参で初診に来る患者の割合(紹介率)に応じて、400円から4000円。紹介率が高い病院ほど「紹介患者加算料」は高額になる。
この制度は、地域の中の医療機関がそれぞれの特性を生かして、相互に適切な患者サービスを提供できるようにするというもの。たとえば、高度医療などを行う医療機関に軽い病気の患者が集中することで、実際に高度医療の必要な患者がなかなか受診できない、あるいは受診の際に待ち時間がかかる問題などを解消することになる。
全国自治体病院協議会によれば、2001年度に公立病院の64%が初診特定療養費制度を導入しているとのこと。民間の医療機関ではほどんどが導入している。
越谷市立病院で10月からこの制度が導入されると、初診の際に、初診料2500円と合わせて4000円が徴収されることとなる。県内ではほかに、さいたま市立病院や川口市立医療センターなどが導入している。(田中潤)
紹介状加算(1) |
紹介率8割以上 |
400点 |
紹介状加算(2) |
紹介率6割以上 |
300点 |
紹介状加算(3) |
紹介率5割以上 |
250点 |
紹介状加算(4) |
紹介率3割以上 |
150点 |
紹介状加算(5) |
紹介率2割以上 |
75点 |
紹介状加算(6) |
紹介率2割未満 |
40点 |
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