志木市は2003年10月1日から、国民健康保険被保険者証をカード化して、高齢者向けには別に従来通りの大型カードを配布するよう計画しているが、厚生労働省は2種類のカードの併用を認めないと同市に回答した。志木市は回答期限を2月5日としていたが、回答は2ヶ月遅れた。
従来の保険者証では、被保険者と被扶養者が同時に別の病院で使用することができなかったが、2001年から保険者証をカード化して個人別に所持することが認められた。カードの大きさは従来の縦12.8センチ、横9.1センチから縦5.4センチ、横8.6センチのクレジット・カード大になる。 だが、カード化された保険者証は大きさが小さく、ペラペラの紙のようなものでできているため、「字も見えにくく、無くしやすい」と不満の声も上がっていた。
そこで、志木市は高齢者には大型のカードを交付することを決めて、3月19日の市議会で、カード化関連予算1000万円が盛り込まれた新年度予算案を可決した。だが、厚生労働省は「医療機関が戸惑う」「将来のICカード化を視野に入れ、国際規格を採用した」など2種類のカード併用を認めないとしている。
志木市は今後も厚生労働省に陳情していくとのこと。高齢者向けのサービスとしてカードの併用が実現すれば、志木市の試みが全国で初めてとなる。厚生労働省も使う側の立場になって、カードの併用を認めてほしいものだ。(田中潤)
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