4月22日に青森・東北町で告示された町議選は何やら不穏な空気が流れている。定員18人に20人が立候補しているが、事実上は全員当選となる模様。立候補している現職議長と元職が24日に東北町役場に転出届けを提出。これによって、両氏への投票は無効となり、両氏以外の18人は法定得票さえ上回れば確実に当選できることとなった。
町選管によると、このような例は過去にないとのこと。いったん立候補を受理すると、候補者の死亡や公民権停止など特別な場合を除いて却下できない。今回の場合、20人で選挙は行われるが、住所転出の2人は被選挙権がなくなるので、2人の票は無効となる。
東北町では町長の無投票再選が決まっているが、「市町村合併を控えており、町議員も現職がそろって合併に向かいたい」と現職議長が23日に、東奥日報の取材で発言。議長と共に転出届を提出した元職も選挙運動はしない意向を明らかにしていた。
この動きに対して、町民からは「住民をばかにしている。古参議員を中心に仕組んだことだろうが、合併を控えた大切な時期に、こんな議員では、とても町政を任せられない」など怒りの声も。まさに有権者そっちのけの談合選挙となっている。(田中潤) |