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浦添市、Eメールで情報公開スタート

2003/04/21

 沖縄・浦添市では、4月17日からEメールによる情報公開制度を開始した。Eメールで情報請求を受け付けるとともに、請求者に対して公開文書の写しをEメールにて添付、送信するというもの。

 浦添市ホームページ内の同市役所総務部市政情報室で手続きを行うことができる。請求者は自身の氏名、住所、電話番号、Eメールアドレス、請求する文書の内容、請求理由(任意)、公開方法(閲覧、写しの交付、視聴、Eメールによるイメージ画像情報の送信)を記入して送信。受付日は市政情報室がその内容を確認した日とし、それから15日以内に公開決定通知書を書留で郵送する。これは請求者が実在するかどうかを確認するためで、受領確認が済み次第、公開文書をスキャナーに取り込んでEメールにて添付、送信する。



浦添市の公開入力フォーム
 手数料は市内・市外いずれの住民も問わず無料。ただし、Eメールの容量は1MB程度(A4サイズ30枚程度)を制限としている。
 Eメールによる情報公開の受け付けは大阪・守口市、愛媛・松山市、神奈川・相模原市などいくつかの自治体で行われているが、Eメールに添付して公開文書を送付しているのは、奈良・橿原(かしはら)市に次いで全国で2例目。

 橿原市では1999年11月1日から、Eメールによる情報公開制度を始めている。ただし、同市では浦添市と異なり、市外の人が情報公開請求した場合、200円の手数料がかかる。手数料が振り込まれ次第、公開文書の写しを送付する。しかし、確認等の振込み手続き自体に約10日かかってしまうため、実際に写しが届くまでには25日ほどかかってしまうことになる。浦添市の方が請求から公開まで短期間で行うことができるわけだ。

 また橿原市では、年間に130〜150件程度情報公開請求を受けており、そのうちEメールでの請求が20件程度。Eメールでの利用者はまだまだ少ないが、知りたい情報をすぐに知ることができるような情報公開制度の仕組みは貴重な試みだといえる。

 他の自治体がこのようなEメールによる情報公開制度を行わない理由として、大量請求・連続請求などの嫌がらせや、セキュリティ面での不安などがあげられる。さらに、「都市の規模」も大きな要因で、大規模な自治体の場合は「公開・非公開」を決める際に意見する人が増えて時間がかかってしまう。逆に、小規模な自治体だと人手が足りず対応できない恐れもある。

 浦添市の人口は約10万人、橿原市は約12万人。これくらいの中規模な自治体の方がEメールによる情報公開制度を導入しやすいのかもしれない。(田中潤)