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過疎化対策で体験入居

2003/04/18

 愛知・豊根村は今年3月、短期滞在型宿泊棟3棟を建設した。月1万円程度の家賃で1〜6ヶ月そこに住んでもらい、村を気に入れば、村営住宅に定住してもらうというもの。建設された宿泊棟は世帯用が2棟、単身者用が1棟で、建設費は約3800万円。

 現在1人が入居しており、さらに資料請求が村に8件来ていることから、希望者を面接して、残りの入居者を決めるとのこと。2003年度も新たに世帯用3棟、単身者用2棟を建設する予定。

 豊根村の人口は3月31日現在で1470人。20年前と比べて3割減少しており、村は過疎化対策として、5年ほど前から都会の社会人を対象に、農作業や山仕事を体験してもらう事業を始めていた。参加者から、村での生活を望む声もあり、今回の宿泊棟の建設を決めた。

 同じような例として、京都・大江町が定住体験施設を2つ建設している。2LDK、駐車場2台。家賃4万円程度で3年間そこで生活してみて、気に入れば町営住宅に定住してもらうというもの。1996年と2002年にそれぞれ建設費3億5000万円、3億1000万円で施設を建設。現在、45世帯が入居しており、部屋は全て埋まっているとのこと。
 この成果として、入居者の半数がそのまま町に定住しているようだ。

 大江町は2001年度に総務省から、過疎地域滞在施設整備モデル事業(現在は、地域間交流施設整備事業)として3分の1補助を受けた。もともと、この補助金は過疎地域の滞在型施設など整備に充てられるもので、宿泊施設及びそれに付帯して整備される駐車場、食堂、販売施設、フィールドアスレチック場、ゲートボール場、ファミリースキー場、バーベキュー場、体験施設、自然観察などが対象となる。

 ただし総務省によると、一定期間そこに住んで、気に入れば定住するという、大江町のような施設に補助金が出ているケースは他にはないとのこと。(田中潤)