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秋田県でもブラックバスの再放流禁止

2003/04/02

 3月19日、秋田県では、県内水面漁場管理委員会が開かれ、4月1日から釣ったブラックバスを再放流(リリース)したり、ブラックバスを生きたまま持ち帰ることを禁止することが決まった。
 委員会の指示に従わない場合、知事が改善命令を出す。それでも従わない人に対して、漁業法に基づく罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)が適用される。

 リリース禁止になる魚種は、ブラックバスとブルーギル。これらは北米原産で肉食魚の外来魚。環境適応力や繁殖力も非常に強く、在来魚を食べ尽くしてしまう。

 ブラックバスは食いついた後にジャンプしたり、魚のひきが強烈なため、釣り人からの人気が高い。国内で放流が認められているのは、山中湖、西湖など一部のレジャー場のみ。だが、1960年代からの釣りブームにより密放流が増え。ブラックバスが凄い勢いで増加している。以前より生態系を崩してしまうことが、漁業者団体や自然保護団体などで問題になっていた。

 秋田県はこの問題について、昨年の9月定例県議会本会議において、寺田典城知事がリリースの法的規制を検討することを明らかにしていた。県はブラックバスを「害魚」として各地で駆除作戦を展開。作戦で捕まえたブラックバスの中には、在来魚のみならず共食いしているものまで見つかっている。

 これらの動きに反対しているのが、「八郎湖守ろう協議会」だ。釣ったブラックバスは放流することが釣り人のマナーとされているが、再放流を禁止することで、釣り人が激減する。これによって、釣り人を相手に生活している業者にとって死活問題となってしまうのだ。そこで県に対して、八郎湖を再放流規制の対象外にする、外来魚の完全駆除が不可能な水域を釣り客に開放する、釣り場環境を整備するため、釣り客から環境保全協力金を徴収するなどを提案している。

 もう既に新潟県、岩手県、山梨県、群馬県、埼玉県では県内水面漁場管理委員会指示により外来魚の再放流は禁止されている。滋賀県や島根・平田市では条例により4月から外来魚の再放流を禁止する。
 ちなみに、滋賀県の条例に対して、タレントの清水國明氏らが思想信条の自由を保証する憲法に違反していると裁判で訴えている。

 清水國明氏らの主張は、次のホームページ上で参照できます。
http://www.ririkin.net
(田中潤)