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「地産地消」のシンポ、イベントが盛ん

2003/03/18

 地域で生産し地域で消費する「地産地消」の運動は、全国的に学校給食を中心になかなか盛んだ。シンポジウムやイベント、コンテスト、講習会などを含めて事例を紹介する。

・兵庫県では2003年度から、子どもから大人まで世代に合わせた「食の健康運動キャンペーン」を展開する。地元産の大豆を学校給食に使ったり、ヘルシーメニューを提供する外食店を“協力店”として増やすことが目的。

・静岡県浜松市では4月から、浜松産の農産物、タマネギやバレイショ(ジャガイモ)などに「浜松育ち」というロゴマークの表示制度を始める。浜松市は農業産地で、県外でも消費される場合が多いが、地元では特産品が意外と知られていない状況となっている。そのため、地元産の「浜松育ち」農産物をPRしていく。

・青森県蟹田町では3月上旬、地元の農林水産物を材料にした加工食品の新作を募り「蟹田町加工品開発コンテスト」が開催された。地元産物の付加価値向上が目的で、今年で3回目。3部門合わせ37作品の応募があり、総菜部門ではホタテとご飯を混ぜて竹の皮で包んで蒸した「蟹田のちまき」、漬物部門は、ワラビやタケノコなどの山菜とリンゴやキムチを一緒に漬けた「山ちゃんの一本漬け」、菓子部門は地場産の大豆と豆乳を加えた「大豆入りパン」が、金賞を受賞した。

・福井県大飯町では3月上旬、旅館や民宿の経営者が地場産の食材を使った料理を学ぶ講習会が開かれた。町内から25人が参加して、地元特産のキノコ類や郷土食のへしこを使った新しい料理を学んだ。シイタケやエノキダケを酒で煮詰めた「キノコのからしあえ」や、じっくり焼いたへしこを混ぜた「へしこご飯」などが紹介された。

・愛媛県瀬戸町では3月6日から9日にかけて、町内の特産品開発グループと町が協力して作った加工品「風車せんべい」「いりこさつま」「みがらしみそ」「入浴剤」を、松山市内の「瀬戸町特産フェア」にも出品した。今後は、近く行楽客が多く立ち寄る町農業公園などで販売を始める模様。

・三重県津市では3月4日、「三重まるみえ地産地食交流会」が開かれ、地元の生産者・食品加工業者やスーパーや百貨店、レストランなどの流通業者、一般の消費者などおよそ300人が参加。地元の38業者が、多気郡宮川村の水「森の番人」を使ったお茶やみそ汁に、南勢町の「真珠の塩」でおにぎりを作り、自分たちが栽培した野菜の漬物などを出品し、試食された。

・長崎市では3月4日、食料・農林漁業・環境県民フォーラム主催の「食と農と健康を考えるフォーラム」が開催され、農産物貿易や地産地消の課題などについて話し合われた。

・熊本県芦北町では3月4日、同町の山で採れたそば粉と、海から採取するにがりなどの塩製品を使った料理の試食会が行われ、そば生産者やパン職人、豆腐職人、イタリア料理の店主ら13人が参加した。めんにそば粉を半分練り込んだフェッチトーネという薄っぺらなパスタ、そば粉を入れたパンや、ほとんどそば粉だけで打ったそば、地元の海で採れたにがりを使った豆腐などが登場した。

・鹿児島市では2月25日、地産地消を考える「かごしまの“食”シンポジウム」が開かれた。消費者や生産者ら約600人が参加。地産地消を基本にした食生活の健全化などが話し合われ、先日行われた新料理コンテストの入賞作品の試食会などもあった。

・山形市では2月23日、シンポジウム「無農薬の世界」が開かれ、100人の参加者のもと、農家と消費者がどうコミュニケーションを取るべきか話し合われた。

・静岡県掛川市では2月18日、地場産品を使った郷土料理試食研究会が開催。掛川フレッシュポークのチゲ、掛川コシヒカリとホタテのちらしずしなど新作料理17品が試食された。

・新潟県では2月16日、「にいがた21地産地消ネットワーク」が設立された。県内での地産地消の取り組みを促進することが狙い。消費者や生産者、流通業者など約400人が加入。今後は、交流会や地産地消推進のための研修会などを開催していく予定。

・埼玉県深谷市では2月中旬、地産地消運動を推進するため「大里の農産物を考える集い」が開かれた。同市や熊谷市など大里郡市内の農家や消費者、流通・販売業者など約150人が参加。地産地消についての講演が行われたほか、会場にはブロッコリーやトマト、キュウリなど同地域の特産農産物、深谷ねぎのしば漬けなどの加工品、減農薬・減化学肥料で栽培された野菜などが展示された。

・三重県四日市市では2月1日、「みえの地産地消セミナー」が開かれ、員弁郡員弁町産の「肉厚シイタケの天ぷら」、鈴鹿市・森田農園の「ほうれん草のしゃぶしゃぶ」など「地産地消バイキング」料理のデモンストレーションが行われた。そのほかにも、地場産の野菜などの展示・即売、食品加工衛生についての相談コーナーも設置した。

・佐賀県久保田町では1月28日、同町の思斉小の5年生が自分たちで栽培した大豆を使って「おぼろ豆腐」作りを体験。「これからの食を考える」がテーマの「総合的な学習の時間」の一環で、児童たちは煮た大豆をおからと豆乳に分けて、にがりを加えて作る本格的な豆腐づくりを学んだ。(田中潤)