「第二東名ができれば(静岡には)すぐ行ける。いらないんじゃないか」
先月30日、静岡県内で開かれた自著のサイン会後の会見で、東京都の石原慎太郎知事が第二東名自動車道の必要性について言及した際、現在建設を進めている静岡空港について「必要なし」と言い切った。
これを受けて静岡県の石川嘉延知事は今月3日、静岡市内で開かれた来年度の県行政に関する県商工会議所連合会との懇談会で「東京にいる人にいらざることを言われるのは本当に腹立たしい」と批判した。
先月27日には空港民営化に向けて経営参加を求める初説明会が静岡市内で開催された。約50社が参加し、空港経営に関心を示した。民営化議論も進んでいる最中の東京都知事の挑発的発言だっただけに静岡県知事としてもよほど腹に据えかねたのだろう。(田中潤)
〈静岡空港〉 2006年度完成を目指す。2001年度までに全体事業費約1900億円のうち約1100億円を投資。用地は98%取得、全体の進捗状況は約60%。事業別にみると、滑走路、誘導路空港本体部の整備は500億円のうち213億円(42%)。空港周囲部の整備は505億円のうち305億円(60%)。アクセス道路の整備は160億円のうち56億円(35%)。
2002年度の静岡空港建設予算は約156億円。県の当初予算総額1兆1920円に占める割合は1.3%。財政を圧迫するものではないと静岡県空港建設局はいっている。
運営形態については、県が9月18日にまとめた民活戦略プロジェクトチーム中間整理で、ターミナルビルに限定せず、滑走路・エプロンなどの空港基本施設についても一体的に経営する「空港運営株式会社」の設立を検討。会社形態は民間出資か官民共同出資とし、運営は県から「空港会社」へ委託する方針。試算によると、静岡空港の年間管理費は約5億2000万円と見込まれている。 |
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