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英語による小中学校教育が実現かー構造改革特区法案

2002/10/31

 構造改革特区の設置法案は11月上旬にも国会に提出される見込みである。政策実験を行うために地域を限定して規制緩和を行い、あわせて地域振興・経済活性化にも役立てようというものである。

 8月末までに自治体その他からの提案を求めたところ903事項の提案があり、そのうち93が今回の特区として実施されることになる見込みである。このほか、特区ではなく実施するものが111、現行制度でも実行可能なものが311あるから、まずまずのヒット率といえよう。

 特区として実施される見込みの項目の中で生活関連の事項としては、国語以外の科目を全て英語で教える小中高一貫教育校の設置など教育課程の弾力化、幼稚園の入園年齢の引き下げなど幼保一元化のための措置、市民農園の開設者の拡大(農業生産法人や企業も可)、特養老人ホームの設置法人規制の緩和などが盛り込まれており、また、全国で実施するものとしては、コンビニによる納税とか高校・大学入学資格の緩和などがある。しかし、カジノ設置については引き続き検討として今回の措置には盛り込まれず、民宿などが自家製の酒を客に提供することとか、地域通貨を自治体が強制的に通用させることについては認められなかった。

 特区の法案が成立すれば、来年の4月から実施されることになるが、特区の事業として掲げられた項目については、それを提案した自治体以外にも参加の道は開かれている。また、来年初めには、さらに新たな実験項目の追加募集も行われる予定で、この制度は一回限りの措置には終わらない見込みである。折角の制度をどこまで活用できるか、自治体の積極性が問われることになる。(並河信乃)