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市町村合併:3ヶ月で設置された法定協数は118(3月から5月)

2003/06/05

 4月1日に「平成の大合併」がスタートして、全国的に合併への動きがさらに活発となっている。合併特例法の期限である2005年3月に向けて、いよいよ法定協設置もピークに近づいているようだ。

 4月に設置された法定協数は81。3月は21、5月は16。任意協の設置数は4月が15。3月が14、5月が6。1・2月の法定協設置数55、任意協設置数64(2003/03/10の記事参照)と比較すると、任意協は大幅に減少しているものの、法定協は急増している。特に、「平成の大合併」が始まった4月に集中して法定協が設置された。

 4月21日には、山口・徳山市、新南陽市、熊毛町、鹿野町が合併し、周南市が誕生した。人口15万8646人は下関、宇部市に次いで県内3位、面積656kuは県内最大。「平成の大合併」としては県内初。今後は、下松市や、光市、大和町との合併を目指して、さらにスケールメリットを図る模様。

 5月1日には、岐阜・穂積町、巣南町が合併し、瑞穂市が誕生。4月1日に発足した岐阜・山県市に続いて、東海3県で第2号となる。人口4万7300人、面積28 ku。

 そのほか、最近の合併協の状況(設置、加入、離脱など)をいくつか紹介する。

 統一地方選で「福祉か合併か」が争点となり、合併推進派が勝利した秋田・鷹巣町(2003/05/07の記事参照)は任意協設立に向けて準備会の立ち上げを阿仁部4町村に呼びかけたものの、合川町と上小阿仁村は慎重な姿勢。鷹巣町は早ければ7月にも阿仁町、森吉町で3町による任意協を設置したい考え。最終的には5町での合併を目指す。

「合併しない」宣言の村長がリコールされた(2003/02/23の記事参照)が、その後の村長選では「合併慎重派」が当選した群馬・富士見村は、前橋広域市町村合併協議会(前橋市、大胡町、宮城村、粕川村)から合併協参加について6月中に回答を求められた。だが、富士見村は7月に合併についての住民アンケートが行われる予定で、それまでは村の方向性を出せないと困惑している。富士見村にとっては最後通牒を突き付けられる形となった。

 任意合併協議会が設置されている静岡・小笠町、菊川町では、それぞれ異なる枠組みで合併協設置を求める住民発議が進行している。菊川町では1市4町(掛川市、小笠町、大東町、大須賀町)、小笠町では菊川町を除く1市3町での合併を求める署名が提出されたが、両町長は「2町の合併に向けて具体的な協議を進めており、協議を阻害する動向には毅然とした態度で臨みたい」と、違う枠組みの署名をけん制した。

 岐阜・岐南町では6月3日、町議会臨時会で岐阜広域合併協議会(岐阜市、羽島市、笠松町、柳津町、北方町)への加入案を賛成多数で可決、24日から合併協に参加する。岐南町は5月25日、合併の枠組みと是非を問う住民投票を実施(投票率63%)。「岐阜市など2市3町との合併」を望む声が最も多く45%を占めた。

 和歌山・橋本市では6月2日、市長が県内唯一の住民発議による法定協(かつらぎ町、高野口町、九度山町、高野町、花園村)からの離脱を表明。橋本市では5月に実施した市民意向調査の結果(回収率50.9%)、合併に「絶対反対」「どちらかというと反対」が59.5%と「どちらかというと賛成」「おおいに賛成」の24.1%を上回った。

 大分・犬飼町は6月2日、大分市に合併協議を申し入れたが、大分市は犬飼町が参加する大野郡5町2村合併協議会(三重町、清川村、緒方町、朝地町、大野町、千歳村)からの離脱を条件とした。犬飼町では5月18日の住民投票で、「大分市」との合併を求める声が1681票と「大野郡」の1281票を上回る結果となった。それを受けて、犬飼町は当面、大野郡5町2村合併協議会からは脱退せずに、大分市との合併協議に踏み出すことを決め、大分市に合併協議を申し入れた。(田中潤)